表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/21

第19話

 村にたどり着きアリアにサヤの宿る剣を預け一直線に宿へと向かう、返り血を見た村人がぎょっとした目で見てくるがそれどころじゃない。一刻も早く尋ねなければならないし場合にやっては一発くらいぶん殴ってやりたい。


「これは話に聞いていた以上だ、その様子だとしっかり倒してきてくれたようだねお疲れ様」


 ベッドに横になりながら本を読んでいたネアがこちらにちらりと視線をやりながら知っていたとでもいいたいのか興味なさげに


「ああ、ちゃんとぶった斬ってきたぞ。それで俺が言いたいことはわかるか?」


「おやおやまるで面倒な恋人みたいな発言だね、そういう関係になりたいならその剣とアリアちゃんを別の部屋に預けてきてもらいたいものだけど」


 本を置きこちらに視線こそむけるがあからさまに込めた怒気にすら気づいていない、というよりも一切気にしていないかのようにような彼女の様子にますます苛立ちがつのる。


「ふざけるなよ、ドラゴンが2頭いるって知ってたんだろ、なぜ言わなかった」


「え、そんなことかい。言う意味があったかな」


「当たり前だ!知ってたらもっとやりようはあったし怪我もしないで済んだんだよ」


 思わず自分でも声が荒くなるのを感じるが仕方ない、目の前の女が自分に都合のいいように情報を渡し結果としてあいつらを危険に巻き込んだのは間違いないんだ。


「ふーん、それじゃ帝国のやつらと戦う時もそんなこと言うつもり?相手が何してくるか分かんなかったから負けても仕方ないって」


 ため息をついて姿勢を正しこちらを射抜くような目で語り掛けてくる、しかしそれは詭弁(きべん)だ。言っていることが正しいからと言って


「話を逸らすんじゃねえ、今の話をしてるんだよ。俺だけじゃなくてサヤもアリアも無事だったのは運がよかったからだ、それに村にドラゴンが来てたらどうするつもりだったんだよ」


「へぇ……」


 ようやく彼女の声に感情がが混じりこちらをじっと見つめてきた、どこまでも続く漆黒の眼に見つめられると笑顔を浮かべているにも関わらずまるで蛇に睨まれたのような感覚がするが引くわけにはいかない、間違いなく値踏みされているのがわかるからこそこちらも睨み返し相手の感情を読もうと力を入れる。


「何だよその目は」


「いやいや正直見直したんだよ、聞いた話だと君は帝国に復讐するためなら何だってするとか言ってたけど友人や村のことを心配する余裕があるんだってね」


「嫌味な言い方だな」


 そう言われると返す言葉がない、確かに師匠に拾われた時にはそう言っていたしそう思っていたが……何か引っかかる。


「いや待てなんでお前がそんなこと知ってんだよ」


「私君の師匠と話したことあるし、昔拾ってきた若者が今じゃ巣立ったって嬉しそうに話してくれたよ」


 お前何歳だよと思ったがそれを口にしてはいけないことは分かる、うん姉弟子に似たようなことで怒られたことが何度もあるから凄く分かる。


「師匠の知り合いなのかよ」


「何を考えていたのかには触れないでおくよ」


 考えて考えて引き出した言葉が陳腐なことにはあまり触れないで貰えて助かるし気づくと怒りの感情がどこかに行ってしまっているのに気が付いた。


「話はこんなとこかな。君たちを試したようなことをしたのは申し訳ないが君の連れているアリアという少女は同盟の人間じゃないからね、どこまで信じていいのか知っておきたかったんだ。それに君の実力がドラゴンを倒せない程度なら連れていっても帝国騎士のトップには相手にならないだろうしね」


 頭を下げられてしまうとこれ以上の追及をする気もなくなってしまう、理由を聞けば納得だったし仕方ない。


「なら仕方ないさ、あいつらには俺から言っとくよ」


「ありがとう、それじゃあ最後に忠告だよ。私みたいに話術でどうにかしようとするやつもいるし話を受け流そうとする奴にまともに応対しないことだ」


 その喋り方わざとかよ!ああ全く俺に関わる女は変な奴らが多すぎる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ