第17話
ドラゴンの視線をこちらに向けるように木々の隙間を抜けて尻尾の側に向かって走る。
「こっちだトカゲ野郎!テメエが俺らを喰うか喰われるか勝負と行こうぜ!」
咆哮と共にこちらに視線を向けるドラゴンの下から腹にナイフを投擲し背後まで駆け抜けた。
「ナイフ一本も安くはねえんだよ」
傷一つつけず弾かれたものの咆哮をあげこちらの方に旋回を開始している、十分な戦果だ。
その巨体に触れた枝や幹がへし折れ音を立て倒れている、あの体がかすっただけで吹き飛ばされておしまいだろう、その末路が食われるか焼かれるか潰されるかの差があるだけだ。
「まあチャンスは一瞬って程でもないからまだマシな方か、魔術師の一人でも仲間にいてくれればもっといいんだが」
無いものねだりはしても意味がない、さすがにドラゴンを正面から迎え撃つことはなかったが少しの判断の差で死ぬような真似は何度か潜り抜けている。
そこまで考えて自分の命にかかわることをサヤ以外の……それも少し前に出会ったばかりの少女に預けていることに気づいて苦笑し剣を持つ手に力を込めた。
「それじゃ落ちるなよ」
「あんたが落とさないようにしなさいよ」
ドラゴンから視線を逸らさず剣に宿ったサヤに言葉をかける、派手に動くときはいつもこうだ。
「アリア!!」
声が届いてすぐに向こう側にあった木々が伸び始め、その枝がドラゴンの腹にあたる、そして咆哮をあげている隙に木の幹を蹴って上に登っていく……これが成功すればおそらく仕留めることは出来るが。
「悪いなサヤ」
「あとでちゃんと謝れ」
再び振り向こうとするドラゴンを止めるために剣を投げ突き刺さるのを確認した瞬間にそこに向けて飛ぶ。
そのままドラゴンに飛び移り鱗を掴み背に登り
「こいつで終わりだ」
首を斬り落とした。それが下に落ちるのを見届けてからドラゴンの身体に差した剣を引き抜く。
「この高さからの落下は初めてだが……頼んだぜアリア!!」
そのまま思い切り飛び降りた。




