第16話
「ああもうあの女情報隠してやがったな!」
イラつきにまかせて吐き捨てる。
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょどうにかするんだったら」
「分かってるって愚痴ぐらい言わせろ!」
しかし俺以上にイラついてこめかみに青筋を浮かべながら冷静に努めようとしているサヤを見ているとそうも言ってられない、すぐにこの場で役に立ちそうなものを頭に叩き込み 木々の隙間からこちらを睨むドラゴンを睨み返し剣とナイフを構える
「どうする斬撃飛ばす?」
「いや、デカい枝が降ってきたら余計酷いことになる、俺はともかくアリアは避けられねえだろ」
これまでも飛んでいる相手ならばそれで話が済んだのがこれほどまで面倒なことになるとは、しかし考えている余裕もない。
「それもそうね、それじゃあどうするあいつこっち見てきてるわよ」
「上に飛んで首を刎ねる」
「それが出来れば苦労はしないでしょ!?」
サヤは本格的にキレ始めたがそれしかないだろう、最も手段を探すとしても木を登る間に見つかってしまえば襲われる可能性も高い、躱せてもかすっただけで落下する。全くもって面倒に巻き込まれたものだ。
「だったら私が道を作ります」
「「アリア!?」」
サヤとハモりアリアの方を向く。
「この場所なら風の精霊土の精霊木の精霊の力が借りられます!!あと燃えてる木の傍なら火の精霊も」
「それじゃあそいつらで何が出来るか教えてくれ、サヤはドラゴンから目を離すなちょっとでも動きがあれば教えろ」
この状況で使える手段が増えるというだけで安心できる。
「分かってる今は旋回してこっちの場所探ってるみたい。ばれたらすぐブレス吐いてくるはず」
「私は土の妖精なら前みたいに、木の妖精なら育てて伸ばしたりできます!風の精霊でもブレスをどうにかできるかはわかりません!」
「それだけ分かれば十分だ!まずは枝を伸ばして目くらましをしてくれ、それが終わったら前みたいに地面を掘ってブレスから逃げられるようにしておいて欲しい」
思わず笑みが浮かんでくる、ここまで取れる手段が出てきたなら勝てる確率は一気に増える。
「風は?」
「今はいらん、土壇場で頼れるもんじゃねえ。代わりにこっちが指示した時にすぐに土の壁を作ってほしいんだ。どれくらいの高さまで伸ばせる?」
「そこの木の半分くらいなら」
「なら十分、安心しろそれさえやってくれれば必ず俺があのドラゴンを殺してみせる」
努めて優しい声でサヤに声をかけいつでも踏み出せるように動く道を選んでいく。
「任せてください、わざわざついてきたんですから足を引っ張るような真似はしません」
覚悟を決めている目だ、ならばそれを信頼しよう。




