表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/21

14話

「しっかしまさかあそこまで爺さんがあっさり許可くれるとは思わなかったぜ」


「信頼されてるってことなんだし裏切らないようにしなさいよ、まったく」


 森に入ってからもサヤは不満を口にしているが相変わらず面倒見のいいやつだ、転びそうになるアリアに手を貸してやっているのをみるに彼女のことはいざとなったら任せてもよさそうだ。


「迷惑はかけないようにします、それに森なら風と土の精霊の力を借りることもできるので」


 自信をもって言うが警戒しすぎているようだ、周囲をきょろきょろと見渡している。


「はいはいそれじゃあ向かいましょうか、森に潜んでるってことだしそんなデカくないでしょうけど」


「竜ってことは火を吐くんでしょうか?昔お爺ちゃんから読んでもらった本だとそうだったんでそんな感じで準備してきたんですけど」


 微笑ましいが戦闘になった場合ドラゴンは相当危険だし不安もある。サヤに視線をやるとあんたがやれとでもいうように睨みつけられた、怖い。


「そこらへんも調べるんだ、例えば樹が燃えてたり炭になってたりしたらその通り、腐ってたなら腐食のブレスを吐く、近くの生き物に木みたいな痕が残ってたなら電撃を放つとか判断できるしな」


「なるほど、もしかしてドラゴンと戦ったことあるんですか?」


「一度小さい奴なら仕留めたことはあるぞ、デカい奴ならヤバいが小型ならバジリスクよりちょっと厄介な程度で済む」


「大きいとそんなに違うんですか?確かに大きいとブレスとか遠くまで届くと思うんですけどサヤちゃんって何でも斬れるって言ってたし大きくても勝てそうだけど」


「デカいってのは強いんだ、首や腕を斬り落としたところで落ちてきたら潰されて死ぬかもしれないしブレスの届く範囲も広くなるしな」


「それに太すぎると一撃で首を刎ねられないこともあるし、まあそんな相手だったらとっくに大騒ぎでしょうしどうせワイバーンとかに毛が生えたレベルじゃない?」


「それなら安心ですね……まあ私ロックリザード相手に逃げてたレベルなんですけど」


 あははと笑うアリアに不安はある、だが決して彼女は弱くはない。もし勝利に貢献できれば彼女に自信につながるとは思ったのだが


「ホントよく来ようと思ったわね」


「あはは……でもここまでくる途中にお爺ちゃんやライルさんに精霊術?の使い方とか教えてもらったりしてますし足は引っ張りません、でも祝福持ち(ギフトホルダー)と戦ったことはないですしそうなったら不安ですけど」

 

 (この子結構好戦的よね)


「ああそれなら心配いらん、祝福持ってるのは人間と亜人……単純に言うなら人型しかいないらしいぞ。教国でも王国でもそう言ってたし間違いないだろ」


「そうなんですかなんか不思議ですね……それじゃあサヤちゃんも祝福持ってたりするの?」


「あー私にそういうの無いはず。もしかしたらなんでも切れるってのがそれかもしれないけど正式に調べたわけじゃないし」


「俺も無いな、師匠から教わった剣術一本だ。サヤがいるからいらんしな」


 少し自慢気な雰囲気が出てしまっていたかと思ったがアリアは気にしていないようだ。


「いや前もそう言って魔法使いにやられそうになってたじゃないちょっとは勉強しなさいよ魔法」


「んー、魔法と精霊術と祝福って何が違うんですか?いまいちよく分からなくて」


 痛いことをつかれたところに二つの助けが入る。


「……いや、その話は帰ってからにしよう、見てみろ」


「これがさっき言ってたドラゴンのいる証拠ですか?確かに樹が倒れてますね」


「ああ、しかもまだ尻尾の跡が残ってるしこの先にいるはずだ」


 手で二人を制しいざという時の逃走経路と地形、大きさを確認し改めて様子を窺う。


「どうやら眠ってるな、これならすぐに済む。アリアはそこにいてもし何かあったら地面を緩くしてくれ」


「はい、気を付けて」


 そのまま俺は剣を抜き眠るドラゴンの首を一息に落とす、これであの女からの依頼は達成だな。


「さて、帰るか」


 証拠に角を斬り落とす。


「私……何もしないうちに終わった……」


 肩を落とすアリアと慰めるサヤを背にここまで来た道を歩きだすとアリアが肩を落としていた。


「なんというか……何事もなくよかったと思っておけばいいさ」


 ああ、俺にもこんな時期があったなあ……


「あ」


「どうしたのライル!」


「いや、何でもない」


(アリアに経験積んでもらおうと思ってたの忘れてた……)


 あまりにも簡単に仕留められすぎてすっかり忘れていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ