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第12話

 ネアから教えてもらった場所にあった宿に入ると既に彼女から話が通っていたのだろうかすぐに全員入れる大きな部屋に通される。どこまでこの流れを見通していたのだろうかますます不気味に感じてくる。


「あのネアっていう女の言うとおりにするつもり?なんか嫌な感じの女だけど」


 部屋に入るやいなや荷物をベッドに放り投げながらサヤが口を開く。


「疑う理由は少ないな、こっちのことを知ってたし言ってること自体は筋が通ったしな。イイ性格はしてると思うけどさ」


 さっきからサヤがやたらとあの人を敵視しているがやはり女同士色々とあるのだろうか。


「うーん、そういうなら従うけどさ、あなたリーダーに私のこと話した?」


「一応何でも斬れる剣を持ってるって話はしたぞ、詳しくは言ってないけど隠してるわけじゃないから知ってる人は知ってるはずだ」


「あんたねえ……もうちょっと私を大切に扱いなさいよ」


 面倒くさい彼女みたいなことを言い始めたサヤは放置して二人に向き直る。


「せっかく安全なところに連れてこれると思ったのにすまん」


 頭を下げる俺に対し気にするなと二人は首を振る。


「いえ、困っている人もいるみたいですしここは教国の領地なんですよね? ここまで連れてきていただけでもありがたいんですよ」


「そうそうおかげで死なずに済んでるんだ、礼を言うのはこっちだって」


 礼を言おうと思ったところで露骨に不機嫌そうなサヤが口を出す。こいつが細かく口を出してくるときは大体


「あんたたちも簡単に頭を下げる必要はないわ、短い間でも旅の仲間なんだし。ともかくライルがこう言うから行くけどさ、あなたたちも気をつけなさいよ。あの女は怪しいわ」


「さっきからずっとそれだな。スタイルで負けてることがそんなに──」


 言い切る前に足を全力で踏まれた。


「あいつ残りの二人も協力していいとか言ってたでしょ、私は?」


「なるほど、どこから知ったのか気になるな」


「確かに私たちも戦えるって思ってたってことですし私たちのことも……?」


「いやそっちじゃないわ、大体クラウスは戦えないでしょ。私が数に入れられてないってことよ、人間扱いもされてないみたいだし私の正体知ってるってこと」


 俺がもう少し秘密にしてれば簡単に判別できるのにとぶつぶつ言っているのはさておきこちらの情報を一方的に握られているというのはなにやら気味が悪い、こういう時にすぐに気が付いてくれるのはサヤを尊敬するしありがたいと思う。


「ありがとうな、いつも助かる」


「ん、それでいつ行くつもり?」


「わざわざ時間をかける理由もないしな、装備と物資の補充だけしてさっさと仕留めにいくつもりだ」


「オッケー、じゃあ買い物行きましょ、何がいるの?」


「食料とキャンプ用品だな。とりあえず食料買ってから改めてリスト作るわ」


 さっき放った荷物をサヤに差し出してやる。


「その辺の店はまだやってるみたいだから安心していいわよ」


「さすがだな、それじゃあ俺らは出てくるぜ」


「それなら私もお手伝い──」


「すまんが頼む、俺とアリアはそろそろ疲れちまってな。なんかあったら大声出すから心配すんな」


 さすがに俺より付き合いが長いだけあってアリアが疲れていることに気が付いたようだ、感謝をこめて頭を下げ俺たちは部屋を出る。

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