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後輩ティータイム  作者: ゆめ
第2章 先輩くんを惚れさせたい
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後輩ちゃんは言われたい


「先輩、今度のデート、どこに行きたいとかってあります?」


 ミルクティーを飲んでいると、あおが尋ねてきた。


 先週なつきと出かけたばかりだが、今月末も予定がある。


 実はモテモテなのかもしれない。


「うーん。あまりお金がかからないところかな」


 普段は全く遊びに出たりはしないので、貯金はあるのだが、男子高校生のお財布なので、遠出とかは厳しい。


「なるほど、私も金欠でしたので助かります」


 俺にやたらと奢りをせがんでくるのも、金欠のせいなのかな?


「金欠なのは、先輩とのデートのために服を買ったからですよ?」

「………どう反応すりゃいいの?」

「かわいいでいいんじゃないですか?」

「まだ服を見てないんだが」

「私は可愛くないんですか?」

「この野郎………」

「なんです?可愛いでしょう?」


 うん。可愛いよ、凄くかわいい。

 でもなんだろう、本人にはあまり直接可愛いと言いたくないんだよなぁ。

 可愛いけれど。


「むうう……」


 ほら、可愛い。


「なつき先輩には可愛いって言ったんですか?」

「なんでなつき?」


 頬を膨らませたまま、あおは言う。


 一体なぜなつきの名前が出てきたのだろう。


「噂になってますよ。先輩となつき先輩がデートしていたって」

「まじで?」

「マジです。今朝なんて、いろんな人に、「浮気されてるよ」って言われたんですから」


 俺とあおが付き合っているという噂が完全に学園内に浸透しているという事は置いておいて、もう噂になっているのか。


 先週一緒に出掛けた時に、きっと誰かに見られたのだろう。


「みんなもよく見てるなぁ」

「そりゃそうですよ。分かりやすく手なんて繋いでいたら、噂もたつに決まっているじゃないですか」


 なんてこった。


 なんだか最近は噂になりすぎて、人気者になった気分だ。

 といっても、高校生の噂なんて一週間もたたないうちに飽きられて無くなる。特に気にすることは無い。


「で、可愛いって言ったんですか?」


 ずいっと、詰め寄ってくるあお。


 そんなに気にすることだろうか。


「まぁ、可愛い人には可愛いと素直に言いますとも」

「やっぱり言ったんですね!てゆうかその言い方だと私が可愛くないみたいな言い方じゃないですか!」

「わー!もー!分かったよ!かわいいかわいい!結婚したい!まじエンジェル!」


 俺の必死の抵抗に、あおもしぶしぶ気を収める。


 いちいち距離を詰めないでほしい。僕みたいなひ弱な男子高校生は、女の子に近づけれただけで汗が止まらないんですよ!!

 あぁ、いい匂いしたなぁ


「まぁ、いいです。ここは正妻としての余裕を見せるところです。制裁を下すのは勘弁してあげましょう」

「全然面白くねぇよ」

「っ!……とにかく!私とも甘々なデートをしましょうねってことですよ。ダーリン!」


 あおを紅くして照れているあお。

 普段ダジャレなんて言わないのに思い付きで言うから……


「はいはい。楽しみにしているよ。ハニー」

「はい。キモいのでもう二度その呼び方しないでくださいね」


 この野郎………


 そんなこんなで、今日も変わらず休憩時間は過ぎてゆく。


 デートの内容はあおが決めたいそうなので、俺は特に考えることもなく、しかし、何もしないというのも頑張ってくれているあおに申し訳ないので、あおとのお出かけの前に予定を入れることにした。


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