表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
後輩ティータイム  作者: ゆめ
第2章 先輩くんを惚れさせたい
95/216

同級生ちゃんはかっこいい


「今日は楽しかったね」


 駅のホームでなつきが口を開く。


 空はもう日が沈みかけていて、今日のはしゃいだ疲れが押し寄せてきた。


 なつきが繋いだ手を強く握る。


 なんだかんだ、今日は何度も手を繋いでいた。


 何かをするときはもちろん手は離していたし、ずっと手を繋いでいたわけではない。

 しかし、無言で手をまた繋ぎ直す。


 その繰り返しが、今日は何度もあった。


 手を繋ぎ直す度に、最初の時は不安や緊張をはらんでいたお互いの手の力が抜けていった。


 付き合っていた時ですら、こんなに手を繋いでいた訳ではない。


 それに、もともと俺となつきはこんなに分かりやすくイチャイチャする性格ではない。


 ただ、今日は、お互いの関係が、付き合っていた時以上に進んだ気がする。


 よく思う。


 なぜ、俺となつきは別れたのだろう。


 あの時、俺となつきは深く傷ついた。

 もう、お互いの顔を合わせられないと思った。


 気まずさや申し訳なさ、自分が逃げたいと思ったから、それに、これ以上好きな人に傷ついてほしくなかったから。


 今の俺ではもうわからない感情があの時の俺にはあったのだろう。


 でも、だからこそ考えてしまう。


 もし、あの時なつきと別れていなかったらと。


 そんなすぎてしまったことを、よく考えていた。


「そうだなぁ。映画でのなつきの反応面白かったし」

「もう!律だってびっくりしてたじゃん!」


 もうじき電車がやってくる。


 もうじき、お別れだ。


「ねぇ、運動会の日、なんて言おうとしたの?」


 最近気になっていた事。


 きっとなつきとしては無かった事にしたいのだろうが、気になったので尋ねてみた。


「察してくれないの?」


 なつきは鮮やかに笑う。


 なんで無かった事にしてくれなかったのか、はたまた、何を言いたかったのを察してほしかったのか。


 それすらも察しろという事なのだろうか。


 電車がやってくる。


 俺は反対方向なので、ここでお別れ。


 繋いでいた手を放し、なつきは爽やかに言う。


「ヒント、あげよっか?」

「いらない」

「貰っときなよ?」

「そう?なら頂戴します」


 そう言って、なつきが俺に顔を近づけたと思いきや………


「なんてね。調子乗んな、ばーか」


 なつきは電車に乗り込んだ。


 俺はつくづく男子高校生であることを実感した。


この作品が少しでもいいなと思ったら★★★★★と感想、ブックマークをよろしくお願いします。


本日、ガールズラブ作品、「社畜ちゃんと後輩ちゃんの心の穴」の第2話を投稿しました。

R18作品になっておりますので、18歳以上の方は、是非そちらもご覧下さい。

R18作品はミッドナイトノベルズにて、連載になるので、よろしくお願いします

↓ここから読めます

https://novel18.syosetu.com/n5510go/2/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ