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後輩ティータイム  作者: ゆめ
第2章 先輩くんを惚れさせたい
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後輩ちゃんと推し

「んー?」


 携帯に通知が来たので見て見ると、なつきからお出かけのお誘いが来ていた。


 なつきとは運動会であのような別れ方をしたので、気まずくて話せていない。


 一体あれはどういう事だったんだ?


 不審に思いつつも、お出かけくらい構わないと、了承の返信を打とうと思っていると……


「あぁぁぁぁ!先輩浮気ですか⁉」


 横から俺の携帯を覗いていたあおが口を挟んできた。


 ちなみに少し胸が当たっています。ありがとうございます。


「そもそも付き合ってねぇよ」

「あれ?そうでしたっけ?」


 とぼけやがって。言いたかっただけだろ。


「お相手さんは………げ、なつき先輩じゃないですか」


 通知が来ている相手の名前を見るなり、あおは顔をしかめた。

 仲が悪いのだろうか?


「何よ?」

「いいえ、別に」


 試しに聞いてみれば、あおは機嫌が悪そうにそっぽを向いた。

 やはり何かあるらしい。


「行くんですか?デート」

「デートってわけじゃ……」

「デートなんです!どうせ多目的トイレでエッチなことした後にノリと勢いでラブホテル行って朝帰りするんでしょ!!帰りを待つ私と言う正妻が居るのに!!」


 うわぁー。めんどくせぇ


 てか発言は慎もうな?変な事言ってるぞお前。


 あと、ラブホテルは高校生は入れないから安心しろ。


「まぁ、行くかな」


 一呼吸おいて、あおの質問に答える。


 すると、

「私も先輩とデート行きたいです」

「やだ」

「うぅ…」


 …………。


 反射的に断ってしまった。


 あおはいつも元気だからいじりたくなるが、やりすぎはよくない。


 それに、こいつは昨日、笹山に詰め寄られていた俺を助けてくれた恩もある。

 そのお礼をするチャンスかもしれない。


 本人には絶対に言いたくないが、こいつは大切な可愛い後輩だ。


 たまーーーにはデレを見せるとしよう。


「冗談だよ。俺もあおと出かけたいよ。デートじゃないけどな」


 俺の言葉を聞いたあおは分かりやすいくらいに明るい顔を浮かべた。


「やったぁ!すごく楽しみです!先輩とデート!!」


 うん。たまにはデレてみるのも良いな。反応が可愛い。


「にしても先輩、ホーム画面の子、誰です?」


 先ほどまでの話とは一転、俺の携帯の壁紙の話題へ。


「妹」

「うわっ」


 ………今ガチで引きやがったなこいつ。


 俺の携帯のホーム画面、ロック画面共に、壁紙は世界一の天使、我が妹凛の写真だ。


 うむ。いつ見ても可愛い。


「もー!仕方ないですね!シスコンな先輩には、私の写真を壁紙にすることをお勧めします」


 たまにでもデレるのはよくなかったのかもしれない。

 完全に調子に乗ってしまった。


「あ、あとちなみにさっきから私の胸で興奮してたの知ってますからねー」


 と、あおは前髪を整えながら言う。


 ………ここは大人しくあおの写真を壁紙にしておいた方が良さそうだ。


「じゃあ撮るぞ。はい、チーズ」


 あおの準備ができたようなので、写真を撮る。

 携帯に写ったあおを見て見るが………


「かわいいな」


 普通に可愛かった。


 写真写りがいいとかいう話では無く、単純にポーズをとって笑っているあおが可愛かった。


「どうですどうです⁉」

「んー。いい感じー」


 あおには辛辣に返しておく。


 素直に感想を言えばまた調子に乗ってしまうから。


 俺はこっそりと撮った写真をお気に入り登録して、ホーム画面の壁紙に設定した。


 俺の携帯の壁紙が変更されたことを確認して、あおは、にししと笑う。


「そう言えば、お前こそ携帯の壁紙何にしてるんだよ?」


 ふと疑問に思ったので尋ねてみる。


 するとあおは、慌てた様子で答えた。


「お、お、推しの写真です!」


 推しと言うのはなんらかの男子グループの誰かの事だろう。


 あおもそう言うのが好きなんだなーと、思った。

 何となく、あおはそう言ったものに興味がないと思っていたから。


 あおの意外な一面を知った所で、もうじき休憩時間が終わりそうなったので、教室に戻ことにした。









 取り残された第二体育館裏で、あおは呟いた。

「推しって言うか、あなたの事ですよ。ガチ恋勢です」








律と凛の家での会話……


「ふぁ⁉」

「ん?どした?」

「け、携帯の壁紙、変えたんだ」

「あぁ、これな。お前嫌がってたし、いいだろ?」

「ふ、ふーん。……………おにいのばか」

「え?」

「何でもない!!」


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