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後輩ティータイム  作者: ゆめ
第2章 先輩くんを惚れさせたい
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後輩ちゃんは不機嫌


「先輩!私は怒っています!」


 第二体育館であおはご機嫌斜めな様子で俺を迎えた。

 子供みたいに地団太を踏んでいる。


「なんでよ?」


 分かりやすくとぼけてやると、

「先輩がお昼一緒に食べてくれないからですよ!せっかく私のとびきりキュートな上目遣いをプレゼントしたのに!」

「おまえチビだから誰にでも上目遣いだろ」

「もー!!」


 一体あおは俺に何を求めているのだろうか。全く分からん


「てかなんだよ、今日のお前。いきなり学校で話しかけてくるなんて」


 話題は今日のあおの様子がおかしい件について。


 普段の学校生活では他人のふりをするという取り決めはどうしたのだろうか。


「だってもうあれだけ大ごとになっちゃったんですから、今更隠す事でも無くないですか?」


 大ごと、と言うのは、昨日の笹山との出来事の事だろう。


 あの出来事で、俺とあおが関係がある事はバレてしまったが…………


「でもわざわざ学校で話しかけてくることは……」

「嫌なんですか?」

「え?」

「嫌なんですか?私に学校で話しかけられるの」

「…………」


 その言い方は反則だろう。


 あおと話すことで、他の生徒に詮索をされるのが嫌なだけであって、決してあおに話しかけられるのが嫌と言う訳ではない。


 それに、「嫌なんですか?」と聞くのも、なんだかずるい。それではどんな理由があっても、「嫌じゃないよ」としか答えれないだろう。


「嫌じゃないよ」

「ふふ、やったぁ!ならこれからも話しかけちゃいますね」


 ほら可愛い。


 あおの可愛い顔を今日も無事に拝めたという事で、ミルクティーを購入して、体育館の小入り口の階段に座る。


 しかし、すぐにあおがミルクティーのボタンを押せずに苦戦しているのを見て、立ち上がり、いつも通り後ろから壁ドンスタイルで、ミルクティーのボタンを押してやる。


 俺が先ほどの定位置に戻ると、あおも俺の横に座った。


 ……あれ?


「なんか今日近くない?」

「そういうの、気が付いても言わないものだと思いますけど?乙女心が分かってませんねぇ」


 いつもは立っているか、座るとしても一人分以上間を開けて座るあおだが、今日は肩が触れてしまうのでは無いだろうかと言うほど近い。


 最初は気にしていない演技をしていたあおだが、俺に指摘されて少し顔が赤くなっている。


 かわええ。


「うう…」


 あおは俺に距離が近いと指摘されたのが気に入らないようで、不機嫌そうに、あの言葉を言った。


「……嫌なんですか?」

「お前それ言えば何でも許してくれると思ってるだろ」


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