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後輩ティータイム  作者: ゆめ
第2章 先輩くんを惚れさせたい
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後輩ちゃんとバブみ


「もう一回………言ってもらってもいいですか?」


 あおは言われたことが信じられないように、もう一度問う。


 俺は無表情のまま答えた。


「キス、しようよ」

「キモイです」

「あれ?」


 あおはジト目で冷めた口調で言う。


 即答だ。 


「話のながれ的に『私!先輩のためならどんなことだってしますぅ!』って言うだろ普通」

「いや、さすがにドン引きですよ。私の唇はそんなに安くないです」


 「頭おかしいんですか?」と言わんばかりの目線を向けてくる。


 自分でもなぜ「キスがしたい」などと言ったのかは分からないが、ここまで拒否されるとは思わなかった。


「はぁー」


 イライラと、自分が何を言っているのだという感情が、倦怠感となって襲ってくる。


 普段ため息は全くつかないが、今日は不思議と漏れてしまった。


「…………」


 あおは数秒固まって俺を見ている。


 お前なんだぞ、こんな気持ちにさせた根源は。


「んしょ、」


 すると、何を考えたのかあおは俺のすぐ横、身体が完全に密着している所に腰を下ろす。


「……何やってんの」

「先輩を慰めてあげようかなって」

「別に落ち込んでないけど……」

「いいからいいから」


 そう言って、落ち着いているが上機嫌にあおは俺の肩に頭を預ける。


「先輩、汗臭いです」

「うっせ」


 そういうあおはシー〇リーズのいい香りがした。


 爽やかで涼しい香りはあおの印象に凄くあっていて、CМに出演しているどんな可愛い女優よりも、あおの印象が強い。


 この距離間でもドキドキせずに、落ち着いているのは、俺があおに恋をしていないからだろう。

 でも、なんで俺はあおが告白されているのを見て、あんなにイライラしていたのだろう。


 考えることが面倒になった俺は、いつの間にかイライラしていたことや、倦怠感なんて忘れて、力を抜くように、あおの体温を感じる。


「先輩って甘えん坊ですか?」

「年上のお姉さんにはな」

「そうでちゅか。今度はおしゃぶりとガラガラで甘えさせてあげまちゅね。よちよち」


 煽っているのか、元気を与えようとしているのか。きっと後者だろう。今のあおは一緒に居て心が落ち着く。


「なぁ、あお」

「なんです?」

「あとちょっとだけ、このままで頼む」

「キモイですね」


 先ほどと同じ返答が返ってきたが、今回は、あおが俺のお願いを拒まなかった。


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