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後輩ティータイム  作者: ゆめ
第1章 先輩くんは振り回される
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先輩くんと髪

やってきたのは美容院。いかにも高そうなとこだ。


「いや、俺そんな金持って無いんだけど。」


俺の心配を察したのか、

「大丈夫です!ここ、いとこがやってるお店なので。多分ただでやってくれますよ。」

と、元気そうに答えた。


いや、ただってのもなんか怖いんだが……


「あら、あおちゃんじゃない。いらっしゃい。」

「あっこんにちは。美久さん。」


出てきたのは、綺麗な女性。

顔は少しあおに似ているが、背も高く、だいぶ大人な印象で、『美人のお姉さん』と言った印象だ。


その美久さんと目が合う。


そして二秒後。


「……え!?あおちゃん彼氏できたの!?まだ入学して二か月でしょ??」

美久さんは大変驚いたようで、あおに詰問していた。


「いや、この人はただの先輩で……あの、例の人です…」


最後の方は耳打ちで話していたのでなんて言っていたのか聞き取れなかったが、美久さんは大変納得した様子で、


「あっなるほど君が律くんか!あおから聞いてるよ〜。」

そう言って、頭をワシワシと撫でられた。


あおは「余計なこと言わないでー!」と美久さんの脇腹を小突いている。


「そんで、どうしてうちに来たの?」


「じつは先輩の髪をやって欲しくて…」

あおの言葉に美久さんは俺の頭を見て、

「あーーーー。」

と何か納得したようにうなずくと、頭に置いていた手を再び動かし始める。


と言っても、先ほどのように乱雑に撫でるのではなく、俺の髪を観察しているようだった。


「オッケー、こんなのすぐだよ。ちょうど店も昼休憩だし、律くんおいで。」


そう言って、美久さんに手を引かれ、オシャレな店に引き込まれた。




それから約40分後、散々あおのことを美久さんに質問されまくったせいで、だいぶぐったりしたが、鏡の前に映る男に目を見張っていた。


整髪剤などでセットさせられた髪は、今まで前髪で影になっていた目元が明るくはっきり見えている。


清潔感があり、なおかつビシッとしすぎない髪型になっていた。


「なんか、別の人みたいですね。」


率直な感想を口にすると、

「そう?ちょっと髪の長さ整えてセットしただけよ?」

と、答える美久さん。


たしかに、髪の長さ自体はあまり変わっておらず、最低限整えたという感じで、美久さんにセットの仕方を教えて貰ったので、次からは自分でもできそうだった。


美久さんにお礼と伝えて店から出ると、(お代は無料にしてもらえた)あおが壁にもたれて待っていた。


「おまたせ」と呼びかける。


「あっ先輩!イケメンになってきまし…」


あおの言葉が途中で止まる。


そしてそのまま数秒フリーズして、

「先輩…あの…///」

なぜかモジモジし始めた。


顔を真っ赤にしていたあおだが、少し髪が短くなっていた。


「あおも待ってる間髪切ってもらったんだ、いいじゃん。」


少しの変化だが、だいぶ可愛さが増したあおに率直な感想を言う。


すると余計モジモジし始めて、

「先輩…今まじタンマです。こっち見たらぶっ飛ばしますからね。てゆうかもう今日は解散にしましょう。」


そう言って結局昼食も取らずに、そのまま解散となった。




その夜電話にて、

「もー!ちょっと美久さん!あの先輩の髪型って…!」

「そうだよー。あおちゃんの好みドストライクだったでしょ。にっしっし」

「もーー!」


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次回からは別のキャラも登場予定です

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