後輩ちゃんと緊張
「う、うう…………」
横には、緊張した様子のあお。
午前の種目もこれで最後。
クラス対抗リレーが始まった。
俺とあおは共にアンカー。
俺がアンカーに選ばれた理由は、できるだけ格好つけたいのと、単純にクラスで一番足が速いからだ。
あおがアンカーになったのは、ほぼ間違いなく可愛いからだろう。見栄え重視だ。
どこのクラスを見て見ても、アンカーは運動部で足が速い生徒か、見た目のいい生徒。もしくは走り方の面白いネタ枠だ。
「緊張してるの?」
俺が問いかけると、あおは具合が悪そうに答える。
「はい………。抜かれちゃったらどうしましょう………」
「まぁ気にすんなよ。楽しんでいこうぜ」
本当に緊張でヤバそうなので、素直に励ましておく。
レースも終盤になり、もうすぐバトンが回ってくる。
現在順位は俺のクラスが一位。
二位が三年のスポーツ科のD組。いや、あおのクラス、一年A組の生徒が三年D組の生徒を抜き去って二位になった。
あれが噂の陸上部スーパールーキー水本君か?
そのまま水本君は俺のクラスの七人目の走者に接近する。
そして、抜き去った。
「わわわ……先輩抜かさないでくださいね!」
一位の状態であおはバトンを受け取る。
俺もすぐにバトンを受け取る体制に入る。
しかし、そこで、横に居た生徒に衝突された。
不安な体制になりつつも、バトンを受け取り、走りだす。
誰だ?危ないタックルをしてくる生徒は?ラグビー部か?と思って、横を見て見れば、三年D組アンカーは、俺の事が大好きな笹山だった。
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