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後輩ティータイム  作者: ゆめ
第2章 先輩くんを惚れさせたい
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後輩ちゃんは困惑する


「………なんです、あれ?」


 目の前で繰り広げられている異様な光景に、あおは混和している。


「あー毎年やってるやつね」


 目の前であるのは、綱引きで優勝した三年生の男子を胴上げしている姿だ。


 高校生はこういった行事でははしゃぎたいものである。

 過去には、大声で告白した生徒や、原付で爆走した生徒、流れているBGMをエロ動画にした人など色々いるが、もれなくその場で先生に激怒された。

 生徒が少しでも羽目を外せば、先生は空気を壊して説教する。

 次第にバカなことをする生徒は少なくなっていった。

 しかし、先生に怒られるギリギリのラインを責める生徒は絶えない。


 その中の一つが、この胴上げだ。


 この学校はスポーツ強豪校であるため、運動会にかける熱量は多い。


 そして男子は全力を出し尽くし、全力で騒ぐ。(先生に怒られない範囲で)


 ちなみに、女子の大半は化粧が落ちるのを嫌がって騒がない。


 つまり、この運動会はいかに男子が先生に怒られない程度に騒げるかの熱き戦いなのである。


「あおも何かの種目で活躍すれば胴上げしてもらえるよ」

「めちゃくちゃ嫌なんですが。怖いですし」


 あおはこの後に大縄跳びがあるようだが、三年生の優勝にかける熱量を見て驚くことだろう。


「先輩もやる気なんですか?」

「おうよ!障害物競走でも、リレーでも、負けられないね」

「ふーん。なら私と勝負しません?」

「勝負?」

「はい!クラス対抗リレーで」


 あおが言っているのは、午前中の種目の最後に行われるクラス対抗リレーの事だ。


 一年から三年の各学年男女四人づつのメンバーが、一斉に勝負する。


 そのリレーでアンカーを務め、一着でゴールをしようものなら、間違いなくはるか空高く胴上げをされるだろう。

 …………これじゃ胴上げされるために走るみたいじゃん。


 一見、三年生が有利で一年生に勝ち目がないように思えるが、毎年陸上部の速いルーキーが活躍するので、なかなかいい勝負になる。


「オッケー!なら買ったらミルクティーを奢ってもらうぜ」

「負けませんよ!なんたってこっちには陸上部のスーパールーキー水本君がいますから!」


 何か知らんけど名前だけで速そうだな!


 そんなわけで、楽しい楽しい運動会は幕を開けた。


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