後輩ちゃんと運動会
「はぁはぁ……はいっ!」
「はい」
「…………」
「…………」
「はぁはぁ、はいっ!」
「おう」
「………先輩、私たち、一体何やっているんでしょうね」
「それ、俺も丁度考えていたところだ」
時は遡る事、数分前
「もうすぐ運動会ですね」
夏休みが明け、すぐに行われる行事、運動会。
一日かけて行われるこのイベントは、特に他の高校と変わることなく、一般的な内容で行われる。
「だな」
「先輩は何に出るか決めたんですか?」
「障害物競走とクラスのリレーだ」
「奇遇ですね。私もリレー出場しますよ。あとは大縄跳び」
なるほど。あおもリレーに出るのか……
「よし!あお!行くぞ!」
「え⁉なですか!?急にどうしたんですか!?」
という事があり、それから数分、ミルクティーをバトンにして俺たちはリレーのバトンパスの練習として、体育館裏を走っていた。
すっかりぬるくなってしまったミルクティーにストローを刺す。
あおも、しっとりどころでは無く、ダラダラと汗をかいているのを拭っている。
「てゆうか、高校の運動会ってもっとバライティーに飛んでるんじゃないですか?借り物リレーでお代が「好きな人」だったり、騎馬戦を柔道部と部室を賭けて戦ったり」
「ねぇよ。」
借り物競争はやりたいという生徒が多いが、先生がなんだかんだ文句を言ってやらせてもらえないらしいし、騎馬戦は安全面で問題があるので、行われることは無い。
「そっかぁ。借り物競争で借りられるのが夢だったんだけどなぁ」
恐らく、実際に借り物競争で「好きな人」というお代があれば、間違いなくあおは連れていかれるだろう。
しかしなぁ、甘いぜあお!
我が高校はスポーツの強豪校だ。
舐めた気持ちで運動会に挑むと、怪我をするぜ。
この作品が少しでもいいなと思ったら★★★★★と、感想、ブックマークをよろしくお願いします