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後輩ティータイム  作者: ゆめ
第2章 先輩くんを惚れさせたい
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後輩ちゃんとシャンプー


 遂にこの時が来た。


 午前の授業を終え、休憩時間が訪れる。


 沙紀の愛妻弁当を美味しく完食したところで、俺は第二体育館裏に来ていた。


 そこには当然、あおもいた。


 あの夏祭りのキス以来、ほとんど連絡を取っていないし、初めて会う。

 なので、あのキスの事をどうしても思い出してしまう訳で…………


「あ、先輩、こんにちは」

「お、おう」

「…………」

「…………」


 会話、終了。


 いや気まずいなぁ………


 多分お互いに暗黙の了解で、あのキスの事は無かった事にするつもりのようだ。


 それに話題に出すと恥ずかしいし………


「今日先輩、ミルクティー奢ってくださいよ」

「まぁ、いいけど」


 あおにお金を渡したところで気が付いた、こいつ、今なら俺におごってもらえると思ってたかりやがったな。


 しぶしぶあおが相変わらず押せないでいるミルクティーのボタンを押す。

 夏休みがあったとはいえ、あおの身長は伸びなかったようだ。


 俺もミルクティーを購入し、いつもの定位置に座る。


 夏休みが明けたが、まだむしむしと暑い気温。しかし、体育館裏は日陰になっており、少し涼しかった。


 すると、


「ん、」


 今日はいつも立っているはずの、あおが、横に座ってきた。


 しかも結構近い。


 涼しいはずなのに、なんだか汗をかいてきたんだが………


 しかし、こういうのは気にしては負け、なにか「お前なんか近くない?」などと言ってしまえば、「先輩そんなこと気にするんですか?私は気にしませんよ」と、バカにされる気がする。


 なので、あえて気にしないふり。


 会話もあまり花が咲かないので、俺は携帯を取り出す。


 沙紀に、弁当の感想を送信する。

 もちろん、弁当箱を返すときに直接お礼を言うつもりだが、早く感想を伝えるに越したことは無いだろう。


「先輩、誰とメールですかって………弁当⁉」


 俺の携帯をのぞき込んだあおが、履歴を見て驚く。

 たしかに、「弁当美味しかった」と言っているのだから気にもなるだろう。


「どういうことですか先輩―!私と言うものがありながら浮気ですかー!」

「あー!もー!いいだろ!たまたま沙紀ちゃんに弁当作ってもらったんだって!」

「しかもよりにもよって沙紀ちゃんですか!?このおっぱい魔人!」

「男子高生がおっぱい好きなのは仕方ないだろ!大体お前も結構デカいだろ!」

「巨乳なんていずれ垂れるんですよ!所詮は脂肪の塊…………って、先輩。」


 突然、俺にのしかかる勢いで騒いでいたあおが静かになる。


「シャンプー変えました?」


 …………怖ぇよ。


 さっと山本家のシャンプーを使ったからだろう。

 しかし、素直に山本家のシャンプーを使ったと言えば、また騒ぎそうなので、泊ったことは伏せておこう。


「まぁ、いつもと違うやつだな」


 するとあおは、


「何使ったんですか?」

「ええと………たしかL〇xだったかな」

「ふーん、そうですか」

「どしたん?」

「なんでもないですよー」


 そう言って、ミルクティーを勢いよく飲むあお。


 なぜか嬉しそうだ。


 すると、その上機嫌のまま、あおは突然立ち上がって言った。


「先輩、二学期も、いっぱいイチャイチャしましょうね!」


 久しぶりに見る学園のアイドル。


 やはり、この後輩は可愛すぎる。


久しぶりのあおちゃんです。


ちなみにこの日の帰りにあおちゃんは新しくシャンプーを買って帰ったそうです。



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