爆乳ちゃんと新婚
「おはようございます。クソイ〇ポ野郎」
「………」
なんだその起こし方は。
朝、リビングのソファで眠っていた俺は、沙紀のキレッキレの罵倒によって目を覚ました。
「……」
ジト目で睨むのやめてください。
「おはよ、なつきとさつきさんは?」
「………。お姉ちゃんなら朝練に行きましたよ。もうすぐ帰ってくると思います。お母さんはもう出勤しました」
時計を見れば、もう七時十五分。
いつも五時半に起きなければならないので、一瞬焦ったが、ここは山本家だ。
八時を過ぎてから登校しても、余裕をもって登校時間に間に合う。
顔を洗っていると、なつきが帰宅してきた。
「ただいまー」
「お帰り。お風呂にする?ご飯にする?それとも、わたし?」
「ご飯かな」
朝からジョークを言う俺に対して、なつきは辛辣だ。
なつきも帰ってので、朝食をいただくことにする。
「いただきまーす」
山本家は朝は和食らしく、朝からなかなか豪華な食事が並んだ。
しかもすべて沙紀が作ったらしい。
さつきさんは朝が早いし、なつきは料理が得意ではないため、朝食とお弁当は沙紀が作るのがお決まりのようだ。
「沙紀ちゃん嫁にくれ」
「明日ゴミの日ですから、一緒に捨てられますか?」
しかしなぜか今朝は俺に対してあたりが強い。
おいしく朝食をいただいたところで、あとは登校するのみ。
俺が玄関で靴を履いていると、
「お兄さん、これ」
後ろから、小さな声が聞こえた。
振り返ってみると、沙紀が両手に弁当箱を持っている。
「これは?」
「お兄さんの弁当です。別に要らないならいいですけど!」
え、かわいい。
「ううん。めっちゃうれしい。ありがと」
大切に弁当を受け取る。
「お残し禁止ですよ?」
「分かってるって」
顔が赤くて、出会った時のように下を向いて不安そうな顔は、なんだか今日は凄くかわいく見えた。
「…………お兄さん、今考えている事、言ってみてください」
「ん?新婚みたいでいいなー。って」
「キモイです」
「………はい」
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