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後輩ティータイム  作者: ゆめ
第2章 先輩くんを惚れさせたい
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爆乳ちゃんとエモエモトーク

「なるほど………」


 課題もひと段落したところで、俺はお風呂を頂き、現在はなつきがお風呂に入っている。


 ちなみに、お風呂に行く途中、さつきさんから避妊具なるものを頂いた。勿論使い機会なんてありませんよ?ですが、万が一という事もあります。一応、受け取るにしました。


 ここはいっちょなつきのお風呂を覗きにでも行こうかと思ったが、沙紀から「ベランダに来い」と言われたので、こうして、母に俺となつきが付き合っていると嘘をつくようになった経緯を話している。


 なつきと沙紀の部屋は隣同士で、ベランダはつながっている共有スペースのだ。


「まさかお姉ちゃんとお兄さんが付き合ってたんですね………そして危うくお兄さんが本当の意味で、「お義兄さん」になるところだったんですね…………」


 おうおう、なかなかドキツイこといてくれるじゃないの。


「でも、今はあお一筋だから!」


 一応、沙紀には俺とあおが付き合っているという設定になっているので、念を押しておく。


「それって、付き合ってるふりをしてるんですよね?」

「…………え?」

「あおちゃんから聞きましたよ。お兄さんたち、私たちに嘘ついてたんですよね」

「バレてたんだ………」


 正直、肩の荷が下りた。

 頭の弱そうな果歩ちゃんならともかく、沙紀を騙し続けるのは不可能な気がしていた。


「はい。『私としてはただの彼氏役でお願いしたつもりだったのに、段々先輩が本気になってきて身の危険を感じた。正直キモイ』って、あおちゃんが言ってましたよ」

「え、まじ?」

「冗談です」


 まじ心臓に悪いから辞めてくれ………


「お兄さん、あおちゃんの事、どう思ってるんですか?」


 先ほどとは違い、真剣に尋ねる沙紀。


 俺もずっと考えていた。

 夏祭りでのキス以来、まだ一度も直接会っていないが、意識はしている。

 あおの気持ちも、自意識過剰かもしれないが、都合よく思ってしまう。


 俺は………


「ただの生意気な後輩だよ。」

「………そうですか」


 沙紀はそれ以上問おうとはしなかった。


 ただ、俺の言ったことに返事をしただけ。


 それだけなのに、俺はなんだか重圧を感じた気がする。


 それは俺が心のどこかで嘘を言ったと思っているのか、それともこの毒舌系後輩が単純に怖いのか。


 絶対後者だ。間違いない。


なんだか俺の方が先輩なのに沙紀の方が上手なんだよなぁ……


 ここは先輩としての威厳の見せ所だ。

 クックック!さぁ、恥ずかしがって顔真っ赤にしたところを見せてみろ!


「ねぇ、沙紀ちゃん」

「はい?なんでしょう?」

「パジャマ姿、かわいいね」


 はい来たー!!渾身のイケボ台詞!

 夏の夜空、突然のお泊り、ベランダで二人!

 この最高にエモいシチュエーションだからこそ、こんな恥ずかしいセリフが言えるんだよなぁぁ!


 どうだどうだ!別に意中の相手でなくても、夢見る女子高生がこのシチュエーションでこんなクサイセリフを言われると、「なんか知らんけど、ドキドキするわ」ってなるはずだ!


 さぁさぁ!突然褒められて照れている顔を見せてくれっ!


「はぁ、ありがとうございます。お姉ちゃんにも言ってあげてください。きっとお姉ちゃんなら期待通りの反応してくれますよ。あと、先輩の『それ』もよく似合ってて可愛いと思いますよ」


 そう言って、パシャリと俺の姿を写真に撮る。


「えへへ~。照れるなぁ」


 顔を真っ赤にして照れる俺の格好は、昨年の文化祭でなつきが使用した、猫の着ぐるみパジャマだった。



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