同級生ちゃんはかまって欲しい
「しりとりしようぜ」
「いいよ」
「じゃあ、しりとりの「せ」からな」
「どこからとったのそれ」
「青酸カリ」
「リンカーン」
「………」
「………」
「マジカルバナナしようぜ」
「いいね」
「「マジカルバナナ」」
「バナナと言ったら黄色」
「黄色と言ったらバナナ」
「………」
「………」
こんな感じで仲良く(?)課題を写していた。
俺が課題を写している間、なつきは暇を持て余しているようで、さっきからベットの上をごろごろしたりしている。
かといって俺の方から話しかけてみると、からかってきやがる。
「うふふ」
「何が面白いのさ」
「なーんでも」
どうやら暇でごろごろしていたり、俺をからかっていたわけではなく、上機嫌なだけのようだ。
「ふぅー」
「ひやん!」
「あはは、『ひやん』だって!」
「この野郎……」
ダメだ。集中できない。一緒に遊びたくなってきた。
なつきは学校ではイケメンや美少年キャラで通っているらしいが、普通に構ってもらいだがりの甘えん坊だ。
「俺はそんなことでは動じない」
しかしここは硬い意思を見せるとき。何としてでも俺は課題を終わらせるんだ!
「ふーん」
すると俺の後方からなつきの声。
「つんつん」
「………」
動じない、動じないぞ………
「こしょこしょ…」
「……」
動じない……
「ねぇ、律」
「………」
ごそごそ……
「好きだよ」
「っ!?」
耳元でなんてこと言ってくれちゃってるんですかねぇぇぇぇ!!!!!!
「ふふ、冗談だよ。ほら、動じないんでしょ?ちゃんと課題やりなよー」
してやったり、と言いたげななつき。
これはお仕置きが必要だ。
「冗談で済むと思うなよ」
「え?…きゃ!」
俺はなつきをベットに押し倒し、馬乗りになる。
先ほどまでの余裕の表情は消え去り、目に涙を浮かべ、一気に不安そうな顔をするなつき。
しかし、俺には期待しているような、誘っているような顔にしか見えない。
「り、律………」
なつきの声は弱弱しく、それでいて、「自分はあなたのものだ」と主張しているかのような目。
顔は真っ赤で恥ずかしく、目もなかなか合わないが、抵抗は一切しない。
俺はゆっくりと顔を近づけ………
「嘘でしたー。ふぅー」
耳元で囁いた。
その瞬間。
「きゅうううううううううう」
なつきは石となった。
※この作品のメインヒロインはあおちゃんなはずです
この作品が少しでもいいなと思ったら★★★★★と、感想、ブックマークをよろしくお願いします