前髪ちゃんとデート
「あちい……」
照りつける太陽に嫌味を言いながらも、てくてくと歩く。
先日、妹の凛に添い寝をしてもらって以来、どうにも機嫌が悪いのか目を合わせてくれないので、コンビニでちょっと高いアイスを買って行って、ご機嫌を取ろうとしている。
そんなコンビニに行く途中なのだが、
「あれ?」
そこには、まどかがいた。
「なんでまどかがここに?」
ここは学校から電車で一時間半ほど離れた場所にあるので、普通まどかが来る場所ではない。
「家出」
「は?」
「六時間だけね」
「それただのお出かけじゃね?」
「だねぇ……」
落ち着いて話してみれば、ここの近くの大きなショッピングモール行く途中らしい。
「暑いから家連れてってよー」
「やだ」
「じゃあデートしよ」
「なんでそうなる………」
「嫌なの?」
「めっちゃうれしいけど………」
「うれしいんかい」
当たり前だろう。
こんなかわいい子とデートに行けるんだ、うれしくないわけがないだろう。
「じゃあ、今日は付き合ってもらうからね」
こうして、臨時デートは始まった。
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