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後輩ティータイム  作者: ゆめ
第2章 先輩くんを惚れさせたい
56/216

妹ちゃんとゲームにゃ



「ううぅ………」


 最終レース。


 現在の総合順位は一位が俺で、二位が凛。以下の順位がNPCとわずかに俺がリードしている。


 最終レースも最後の一周となり、緊迫感が増す。


 現在俺はトップを走っており、このまま逃げ切れば優勝だ。


 一方凛は五位で、ここからの追い上げを狙う。


 俺は一位なこともあり、あまりいいアイテムが出ない。


 一方凛は、緑色の甲羅と、一定時間無敵状状態になる星のアイテムを当て、一気に追い上げる。


 そして、ついに二位まで上り詰めた。


 後方から甲羅を投げてくる。


「おにい避けないで!」


 これが赤色の甲羅ならば確定で当たっていたのだが、緑色の甲羅はなかなか当たるものではない。


 無敵状態になる星のアイテムを使った凛がさらに追い上げてきた。


 もうすぐ後ろにいる。


「………あ、やべ」


 俺はある事に気が付き、一気に速度を落とす。


 凛はその瞬間を見逃さずに、俺を後方から跳ね飛ばす。


「必殺!『おにい大好きアタック‼』」


 おい、ゲームに夢中になりすぎてブラコン発言しちゃってるぞ。


 見事、俺を跳ね飛ばした凛は一位に。


 そして数秒後、無敵状態が解けた瞬間、青色の甲羅に吹きとばされた。しばらく行動不能になる。


 その間に俺は再出発して、見事一位。


 凛は三位となった。


「やったー!」


 一位の喜びを感じていると横で、凛が、


「ぐすっ……ぐすっ………おにいと………出かけたかった…………」


 ……………目を赤くして言うなよ………。


 凛は人一倍負けず嫌いだ。


 こういったゲームでも熱くなってしまう事がよくある。


「わ、分かったから、今度一緒に出掛けような?」

「うん………」


 少し元気を取り戻したが、何ともいたたまれない気持ちになった。


 そして内心、しおらしい凛も可愛いなと思った。






「ほら、どうしたの?」

「う………おにい、ちょっと近すぎないか……にゃ」

「そうかな?ベッド落ちるだろ」

「いやぁぁぁぁ!これ以上近づかないで!汗かいてきたから!……にゃぁ」

「いい匂いだから大丈夫」

「も、もうこんなの耐えられないにゃぁー!」


 その後、凛は一睡もできずに朝を迎えた。


 ちなみに、数日間、凛は顔を合わせてくれなかった。


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