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後輩ティータイム  作者: ゆめ
第2章 先輩くんを惚れさせたい
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妹ちゃんとゲーム



「今日という今日は改めてもらうぞ!」


妹の凛の部屋をノックしてから待つこと十分。


やっと部屋から出てきた凛に俺は宣言する。


「はぁ?」


 俺の宣言対し、凛は「こいつ頭おかしんじゃないの?」と言う目線を向けてくる。いつもの事である。


 俺はいったい何のことを言っているのかと言うと、


「最近お兄ちゃんにあたり強くない⁉」


 そう、妹の反抗期である。


 凛の俺に対する態度はもはやゴミ以下。


 近いうちにゴミと一緒に捨てられてしまうのではないかと眠れない日々が続いている。


「急に何?キモいんだど」

「それだよそれ!『キモイ』とか、『臭い』とか、『死ね』だとか。俺にひどいこと言いすぎじゃない⁉つい数年前までは、『おにい大好きー!』って言っていたじゃん!」

「だぁぁぁぁ!!!!それは忘れてぇーーー!!!」


 過去の記憶の話をされて、飛びついてくる凛。


 そう、昔はこんな風によく抱き着かれたものだ。


 今なんて、抱き着かれるかと思ったらコブラツイストされてるもん。


「で?なんの用?」


 数分後、無事に俺の身体をズタボロにした凛は部屋を訪ねた用を聞いてくる。


「俺と勝負をしよう!」

「は?」

「その勝負で勝ったら、俺のお願いを一つ聞いてもらうぞ」

「ま、まさか私にエッチな事を………?!」

「いや、普通に昔みたいに甘えてもらうだけだが。冷静に考えてみろ、俺たち兄弟だぞ?エロい事要求する訳ないだろ」

「兄弟でエッチなことして何がいけないのよ!」

「え?」

「あ、………………何でもない!」


 ビタンッ‼


 なんでビンタされたの俺………


「で、勝負って何するの?」


 顔を真っ赤にした凛が尋ねる。


「勝負内容は、ゲームだ」







 テレビの前に凛と並んで座る。


 このゲームは、様々なアイテムを駆使して、戦うレースゲームだ。


 四回レースをして、総合順位が高い方の勝利だ。


お互いキャラメイクを終え、レースに備える。


凛とこうしてゲームをするのは久しぶりだ。


「私が勝ったら、その…………一緒にお出かけしてもらうから」

「はぁ?そんなの別に罰ゲームじゃなくてもデートくらい行ってやるのに」

「デートじゃないから!………………口実がないと誘いづらいじゃん」


 落ち着きがない凛だが、間もなくレースが開始される。


 ちなみに、俺が勝った場合は今晩、一緒の布団で語尾に「にゃん」をつけて添い寝してもらう事にした。


 それを伝えると、凛は顔を真っ赤にして、怒りをあらわにしていた。


 そんなに俺に甘えるのが嫌ですかねぇ……


「絶対………勝つ」


 凛はなんか恐ろしい顔で画面を睨んでいる。


 3…2…1


 レースが開始されると当時に、お互いにスタート地点を飛び出す。


 そして最初のカーブに差し掛かった時………


「いてっ」

「あっ、おにい……ごめん」


 思いだした。


 凛はこのゲームをプレイするとき、身体が傾いてしまうタイプだ。


 昔それをバカにして凄くすねられた思い出だ。


 先ほどからカーブする度に、こつんこつんと身体が当たっている。


 なら離れればいいのだが、少し距離を開ければ、また近づいてくる。


 これは一種の妨害行為ではないだろうか。


「ふん!ふん!」


 横で必死に身体を揺らす凛を横目に、俺もぼちぼち頑張ることした。


久しぶりの妹ちゃんです。

どうなキャラだったのか、探り探りでした。

もうちょっと柔らかいイメージでしたが、結構ツンツンしてしまいました



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