逃げて!爆乳ちゃん
「見ちゃったの…………」
真剣な顔で、なつきはあたしを見ている。
夏休みが始まって数日。
今は、部室で二人きり。
「何を?」
あたしがそう尋ねると、なつきは落ち込んだように答えた。
「一ノ瀬さんと律がキスをしている所を」
「おー」
これは驚きだ。
まさか二人の関係がこんなにも進んでいたなんて。
「これはうかうかしてられないねー。早く手を撃たないと、二人は付き合っちゃうかもしれないよ?」
「いや、二人はもう付き合ってるらしいよ」
「………………え?」
嘘でしょ!?なんで……律くんにはなつきがいるはずじゃ………
「なんか、沙紀が秘密にしてって言ってたんだけど、実は二人は結構前から付き合ってるっぽいよ」
「…………マジ?」
「マジです……」
そんなぁ………
意外というか、まさか一ノ瀬さんの手がこんなにも早いなんて………
でも、それと同時に腑に落ちないところもある。
律くんの様子だ。
あの様子だと、まだなつきに未練があるようだし、そこまで一ノ瀬さんに恋愛感情的なのを抱いているようには見えなかった。
律くんが中途半端な気持ちで付き合っているなんてことは考えられないし………。
「怪しい………」
二人の関係性が詳しく気になるところだ。
「どうしよう…………」
目の前には、不安そうななつき。
親友として、何とか手を貸してあげたいところだが………
「うーん………寝取っちゃえば?」
「ふざけたこと言わないでよ‼」
「えー。その爆乳は律くんを誘惑するための物でしょうが!」
そう言って、なつきの大きな胸を揉む。
おいおい………なんか前触った時より大きくなってる気がするんだけれど………
「まぁ、とりあえず。まずは情報収集からだよね……」
そう言ってなつきの携帯を取り出す。
以前からずっと携帯のパスワードは律くんの誕生日なので、簡単にロックは外せた。
そして、「ある人」に電話をかける。
数分後
そこには、不安そうに正座をさせられている、なつきの妹、沙紀がいた。
「お、お兄さん………助けてぇ……」
さぁ、情報を提供してもらおうか………
この作品が、少しでもいいなと思ったら★★★★★と、感想、ブックマークをよろしくお願いします