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後輩ティータイム  作者: ゆめ
第1章 先輩くんは振り回される
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夏祭り2


「人多すぎませんかねぇ………」

「だねぇ…」


 早速屋台が並ぶ通りに来たのだが、かなりの人で賑わっていた。


 特に人混みが苦手という訳ではないが、人の熱気と夏の暑さのせいで少しくらくらする。


「だね!すっごくテンション上がる!」


 人の多さに圧倒される俺となつきだが、まどかは元気そうだ。


 こういったイベントごとでは、まどかは凄く気分が上がるタイプだ。


「私と律はあんまりテンション上がらないかな…」


 なつきは失笑する。


「いや、何を言っている。俺はテンション爆上がりだぞ。見ろ、あの綺麗なお姉さん。ちょっと待ってろ。早速ナンパしてくる」

「私たちがいるのに他の子見ないでよ!」


 こういった人の多いところではやはり美人か多い。


 と言っても、今日は横に美少女が二人いるのだから特に目移りはしないのだが。


……………………前言撤回。あっ、あの人も可愛い。


「去年もこんな感じだったよね…………」


 呆れるまどかの言葉に去年の事を思い出す。


 去年もこんな感じで三人で祭りに来て、騒いだ思い出だ。


 しばらくなつきとまどかとは距離ができていたが、またこうして三人で祭りに来れていることがとてもうれしい。


 とりあえず暑いのでかき氷を食べることにした。


「何味にしようかなー」


 かき氷のシロップの味はどれも同じという都市伝説もあるが、こういうのは雰囲気が大切だ。


 たくさんあるシロップを眺める。


(きっと、あおならブルーハワイを選ぶんだろうな。俺の奢りで)


 ふと、小生意気な後輩を思い浮かべる。


「どれにしよう………律くんの奢りだし、練乳も付けようかなー」


 おっと、ここにも小生意気な人がいるようだ。


「奢らないぞ」


 本気で俺のお財布に頼ろうとしてくるので(去年の祭りでは奢らされた)あらかじめ釘をさしておく。


「なつきは何味にする?」

「私知覚過敏だからかき氷はいいや」

「おばちゃんかよ」

「じゃあ、買うのはあたしと律くんだけだね」

「おう。俺は買うの決めたぞ」

「あたしもー」


「「おじさん」」


「メロン味ください」

「イチゴください」


 同時に注文したが、意見が分かれた。


「あたしたちってなかなか意見合わないよね」

「確かに」


 まどかとは意見が合う事はあまりない。


 たまに言い争いになることもあるが、なつきが仲裁に入って、結局なつきの意見を尊重することが多い。


 店員のおじさんからかき氷を受け取り、(結局俺が奢らされた)屋台を後にする。


 そこになつきが話しかけてきた。


「もう、遅いよ」


 先ほどから姿が見えなかったなつきだが、手にはチョコバナナが握られている。


「それ、どうしたの?」


 俺が尋ねると、なつきは不機嫌そうに、

「二人が遅いから、我慢できなくて買っちゃったんだよ。太ったらどうするの?お詫びにたこ焼きは奢ってもらうから」

「太るぞ」

「さいてー!イカ焼きも追加で」


 そう言って、チョコバナナを頬張るなつき。


 運動しているのでスタイルはいいが、この三人で一番大食いなのはなつきだ。


 むしゃむしゃとチョコバナナを食べるなつきを、まどかと一緒に、じいっと眺める。



「………………」

「………………」

「ねぇ、律くん。思ってること、同時に言わない?」

「あぁ、いいぜ」



「「エッッッロ」」



「…………………初めて、意見があったね」

「…………………だな」


なつきはえろい!

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