夏祭り1
短めです。
あと数話は後輩ちゃんは出てきません!ごめんなさい
夏祭り当日。
駅前に午後五時集合と言われたので、約十分前に来てみれば、もうそこにはなつきとまどかはいた。
夏祭りなので駅前は大分賑わっていたが、それでも二人はなんだか、浮いているような、目立っているようで、すぐに見つけることができた。
「ごめん、お待たせ」
集合時間十分前に来たというのに、「お待たせ」というセリフを言うとは思わなかったが、二人が予想以上に早かったので仕方がない。
「あ、律くん。遅いよー。律くんが来るまでに三回もナンパされたんだからね!」
不機嫌そうに言うのはまどか。
白とピンクの綺麗な浴衣を着ている。
いつもの前髪を全部上げている髪型ではなく、今日は前髪を下ろした髪型だ。
普段と印象が違って、ものすごく大人っぽく感じる。
「ナンパされたのは一回だけでしょ。話を盛らなーい」
そう言ったのはなつき。
まどかとは対照的に、なつきは黒の浴衣。
普段とは違い、今日のなつきは子供っぽく見える。
まぁ、相変わらず、胸はデカいが。
「それは申し訳ございませんでした」
二人がナンパされる事は、こういった行事では珍しい話ではない。
しかし、二人とも、もう男に対する対処法はわきまえているようで、毎回上手に断っている。
「じゃ、さっそく行こっか」
なんだか急かすようになつきは言う。
少し顔も赤い。緊張しているのだろうか。
「もー、なつき。照れすぎだって。そーだ。律くん。今日のあたしたちを見て、何か言うことないの?」
そう言うまどかも顔が赤いのだが、それはきっと今日が暑いからという事にしておこう。
改めて二人を見る。
そして、去年も言ったであろうセリフを言う。
「二人とも可愛いよ」
「え?ほんと?結婚したい⁉いやー照れるなぁー。あたし困っちゃうよー」
「そこまで言ってねぇよ」
「えへへ、冗談だってー。律くんもかっこいいよ」
「はいはい、ありがと」
「うん、ありがとう。律もかっこいいよ」
二人の会話の中で、突然言われたそのセリフ。
顔を真っ赤にして言ったなつきは、やはり、あまりにも可愛すぎた。
昨日
「お兄ちゃんー!明日の夏祭りなんだけど……」
普段は気の強い妹の凛が、小さい声でモジモジと話しかけてきた。
明日の夏祭り、俺はどうするのかを聞いているのだろうか?
「あたしと一緒にいk……」
「ああ、夏祭りなら今年も友達といくから」
「え?!」
「あっ、ごめん。なんか言った?」
「う、ううん。なんでもないの!!そっか。楽しんでおいでね」
「おう……」
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