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後輩ティータイム  作者: ゆめ
第1章 先輩くんは振り回される
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前髪ちゃんは処女です

まどか視点の話になります

「ど、どうしよう……」


 放課後の部室。


 自主練習で居残りをした、まどかと、なつきは部室で向き合っていた。


 なつきは困った様子でまどかにしがみつく。


「どうしようって……よかったじゃん。今年も律くんと夏祭りに行けて」


 冷静そうに話すが、まどかも内心、律と夏祭りに行けて、焦りと、うれしい気持ちでいっぱいだ。


 あの出来事以来、あたしたち二人は、律くんと距離ができていたし、今でも話す時はものすごく緊張する。


 それになつきは、律くんがひどい目にあったのはすべて自分のせいだと、自分自身をひどく責めていて、今でもそれは引きずっているようだ。


 でも、なつきの律くんに対する気持ちは今でも変わっていないようで、ずっと復縁の機会を狙っている。


「ど、どんな服で行けばいいかなぁ……」

「そりゃ、夏祭りなんだから浴衣でいいでしょ」

「じゃぁパンツの色は⁉」

「落ち着きなさい」


 普段から落ち着いた雰囲気のなつきだが、律くんの話になるとすぐに、恋する乙女になってしまう。


 手がかかるような、可愛いような、見ていて応援したくなってしまう。


 自分の好きな人ですらも、譲ってしまいたくなる。


 あの出来事で、律くんは心に深い傷を負った。当時は本当に辛そうだった。


 でも今は、違う。


 凄く、笑顔が増えた。


 それはあの後輩のおかげなのだろう。


 きっとあの子は律くんの事が好きなんだ。


 律くんもきっと、あの子の事を少なからず思っている所もあるだろう。


 でも、あたしはもう一人、あの出来事で心に深い傷を負った人を知っている。


 あたしは、その二人両方に幸せになってほしい。


「うわぁぁぁぁん!どうしようぅぅぅぅ!!!!!!」


 泣きわめくなつきをあやしながらあたしは言った。


「まぁ、でも、パンツは可愛いの履いていこうね。何が起きるか分からないから」


 その場合になれば、あたしは陰から見守っておいてあげよう。


親友の”それ”を見守るのも、なんだか楽しそうだし。


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