後輩ちゃんのお誘い
その後は無難と言っては無難だが、焼きそばを食べたり、流れるプールで無になって流れてみたり、それなりにイチャイチャして楽しんだ。
時間も夕方になったので、帰宅することになった。
電車の中は空いていて、俺が先に座ると、あおは一席分開けて座った。
真っ赤な夕日が電車内を常夜灯のように染め、何となく居心地の良い無言の空気が続く。
目的の駅まであと一駅となった時、あおが沈黙を破った。
「あの…………先輩?」
寝ているとでも思っていたのだろか、疑問形で声をかけられる。
「どった?」
プールではしゃぎすぎて疲れたので、短く返事する。
「来週の週末、予定、空いてますか?」
一席分の空いたスペースを詰めて、下を向いたままあおが言う。
沈みかけの夕日に照らされるあおの横顔は少し寂しそうだった。
「私と夏祭り、行ってくれませんか?」
もう一度、今度は明確な理由を述べる。
わかっている。その日が、来週の週末が夏祭りだという事も。
人気者で友達の多いあおが、友人や男子からお祭りに誘われていないわけがない。
俺を誘った理由は、自意識過剰な気もするが、いいように想像してしまう。
でも、
「ごめん」
でも、その日は。その日だけは譲れない先客があった。
久しぶりになりました!ごめんなさい!!
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