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後輩ティータイム  作者: ゆめ
第1章 先輩くんは振り回される
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先輩君の性癖

七月下旬、終業式を終え、見事に二と一しかない成績表を受け取り、迎えた放課後。


 今日は午前で授業が終わり、午後の部活もお昼から少しになったのであおが、「放課後どっか遊びに行きましょう!」と言い出したので、涼しい図書室で女バスの練習が終わるのを待っていた。


 普段から本なんて読まないので、無駄に発育のいい図書委員の子をナンパしながら時間をつぶしていたが、何となく、体育館に行こうかなと思った。


 今体育館に行けば間違いなく笹山たちに見つかってボコられるだろう。


 少し前まではミルクティーを飲みに行く以外は、第二体育館に近づこうとも思わなかった。


 まぁ笹山に見つかってボコられるのもありだな。前も殴られっぱなしだったし、一発くらいやり返してやろ。


 そんなことを考えながら、第二体育館へと向かった。



 キュキュっと、バッシュが鳴らす音と、ドリブルの音が絶えない体育館の小入り口付近でミルクティーをちゅうちゅうと吸う。


 別に男バスには興味ないので、半分に仕切られた体育館の女子コート側の小入り口でぼーっと練習を眺めている。ここなら男バスのコートのほうからも見えないしね。


 練習も終盤になり、最後にミニゲームを行って終わるようだ。


 うちの高校のバスケ部は男女ともに強豪で、部員数も多いので、ミニゲームも二軍同士の試合と、一軍同士の試合で別れて行う。


 初めに二軍同士の試合が行われた。


 一年生がメインのチームなのでまだあどけなさはあるが、さすがは強豪校。

 二軍でも、公式戦で勝てそうなレベルだ。


 まぁ、その中でもやっぱりあおはへたくそだが。


 でも前回の練習試合の時よりは格段にうまくなっている。

 真剣な表情で練習に取り組んでる姿は、凛としていてかっこいい。


 動き一つ一つで、この子は努力家なんだなと再確認する。


「あの………お兄さん、どうしたんですか?」


 俺が汗まみれになってる女子高生を見て興奮している時に急に声をかけられたと思ったら、沙紀ちゃんだった。


「あぁ、ちょっと見学に来たんだよ」


 じっくりエロい女子高生を見学させてもらってます。


「そうですか…………。なんかお兄さんの事不審者って言ってる子がいるので気を付けたほうがいいですよ」


 沙紀が指をさす方向を見ると、二人の一年生がこっちを見ておびえていた。


「いい太ももだな。エロい」

「なに言ってんですか、通報しますよ」


 後輩に罵倒されるのもなかなかだな………。


「おっ、」


 試合を見ると、あおがカウンターを出していた。


 そのままドリブルシュート。


 見事に決まった。


 その後、俺に気づいたのか目が合う。


「あっ先輩っ!ってきゃっ!」


 ダブルピースを見せたあおだが、見事に転んでしまった。



 二軍の試合が終わり、次は一軍の試合。


 一年生は沙紀を含めた三人だけで、三人で交代しながら出るようだ。


 一軍のメンバ―がぞろぞろとコートに出ていく中、なぜかなつきがこっちを睨んでいる。


 あおは俺のほうに来たそうだったが、他の人が居るところでは他人のふりをすると決めているので、堪えているようだ。


 試合が始まる。




 試合が始まってみれば、その後は一方的な展開となった。


 なつきの独壇場。誰も彼女を止めることはできなかった。


 一見絶好調にも見えるが、俺には少し、機嫌が悪そうに見えた。

   


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