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後輩ティータイム  作者: ゆめ
第1章 先輩くんは振り回される
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後輩ちゃんは困惑する

「という訳で、さっそく何でも言うこと聞く券を行使します!」


 ででん!というセルフの効果音と共に、この高校の近所のうどん屋の割引券を渡してくる。使用期限は先月いっぱいだ。

 裏には「なんでも券」と書かれている。


 わざわざ作ったのかよ。


「まぁいいけど………。」


 罰ゲームは仕方ない、おとなしく命令を受けることにする。


「ズバリ!先輩!一緒に私の水着を買いに行きま…」

「よし乗った。今日の放課後に行くぞ。」

「て早っ!」


 自分で言って何驚いてんだこいつ。


「んや、言い出したのはお前だろ?今日の放課後用事あるの?部活は待っといてやるからさ。」


「いやいや、そういう事ではなくて………あまりに即答だったからびっくりして。断られると思ってましたし。」


 いや、断ったら何でも言うこと聞く券の意味ないだろ。


 別に女子の買い物に付き合うのは嫌いではないし、何より合法的にあおの水着姿を見れるのはかなり魅力的だ。


「何言ってんだよ。お前の水着を選べるんだろ?役得の極みじゃん。リクエストでえぐいのチョイスしてやるよ。」


「ちょ!エッチなのはダメですよ!」


そう言って顔を真っ赤にするあお。


「冗談に決まってるだろ。」


 冗談じゃないに決まってるだろ。待っていろ、黒のマイクロビキニ。


「もー。すぐに変なこと言うからこの人は………。その……………………水着買ったら、どこか行きませ」

「水着買ったら、海かプールにでも行くか。」


 俺がそう言うとあおはすぐに固まる。


「なんだ、いやか?」


 そう聞くとあおは「嫌じゃないです!」と必死に返事する。


 俺としてはこんなのいい話は無い。


 性格は生意気でもこいつは超少女。こんな子と水着で遊びに行けるなんて喜ばない男子はいないだろう。


「なら夏休み中はどうだ?再来週からだし。」


「そ、そうですね………私も賛成です。正確な日にちが決まったら……」

「てか夏休み始まったら連絡する方法ないじゃん。連絡先交換しようぜ。」


 よくよく考えれば今まで交換していなかったのも不思議な話だ。


「ふぇ⁉そ、そうですね。連絡先交換しないとですね…。」


 そう言って携帯をさしだすあお。


 なんかこいつ顔真っ赤で目回ってないか?


「あぅ…ありがとうございます。」


 連絡先を交換した画面をまじまじと見つめるあお。


「まぁそんなわけでまた連絡するわ。俺は暑いから帰る。」


 そう言って紙カップを捨て、教室に帰る。


「な、なんなの…………う、上手くいきすぎてる………………。こんなのおかしいからぁ‼」


 休憩後の授業は、あおは体調不良で欠席した。


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