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後輩ティータイム  作者: ゆめ
第1章 先輩くんは振り回される
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姉と妹

「今日は楽しかったなぁ…………。」


 家でスマホを見ながら小さくつぶやく。


 現在は今日の事を果歩とメッセージで話して

いた。

 「先輩が思ったよりもイケメンだった。」とか「あおがデレデレだった。」と話してる。


「確かにあおちゃんはデレデレだったなー。」


 あおちゃんが今日一日お兄さんにドキドキしっぱなしだったのは、見ていてよくわかった。


 でもそれに対してお兄さんは………。


「何ぶつぶつ言ってんの?」


 私の後ろから声がかけられ、思考が停止する。


「わっ!びっくりした……やめてよお姉ちゃん。」


 そう言って私の姉、山本 なつきを睨む。


 お風呂上がりなのか髪はしっとりと濡れていて、格好もパンツとキャミソールだけとかなり涼しげだ。


 いくら自分の家だからって下着で歩き回られるのも困ったものだ。


「ごめんって………。で、何ぶつぶつ言ってんの?」


 そう言って訪ねてくるお姉ちゃん。


「何でもないって、今日出かけた事友達と話してただけ。」


「ふーん。」


 空返事だけして私の携帯をのぞき込んでくる。 


 距離が近くなり、風呂上がりだからなのめちゃくちゃ良いにおいがする。


 それにおっぱいも当たってる。お姉ちゃんもでかい。あと形がいい。


 巨乳がよく似てるってお母さんに馬鹿にされた。


 別にこのまま除かれていようが困る会話はしていないのでお姉ちゃんは放っておく。


 ピコん、という効果音と共に、果歩から写真が添付される。


『いっぱい撮っちゃったー!!』

 と、無邪気なコメント付きだ。


 まず一枚目をクリックする。


 果歩、私、そしてあおが三人で写ってる写真。

 これはさっき果歩のSNSにも乗っていた。


 加工アプリで撮影されていて、みんなの頭には猫耳ついている。


 その中でも目を引くのはやっぱりあおだ。同性の私から見てもかわいすぎる。何この子、加工しなくてもかわいいじゃん。


「今日この二人と遊んでたんだ。」


 そう言ってお姉ちゃんも写真をまじまじと見る。


 次に送られてきた写真は、あおちゃんの写真。


 これは果歩のシロップメロンソーダ麦茶割を飲んでむせている写真。


 これも先ほどと同じく猫耳の加工が施された写真。

 顔が真っ赤になってるのがすごくかわいい。


「あっこの子………」


 そう言ってぽかんと画像を見つめるお姉ちゃん。


「あおちゃんだよ?」


「いや、さすがに知ってるよ。同じ部活なんだし。」

 ならさっきのリアクションは何なのやら。


 次に送られた写真を見ると、

「きゃぁぁぁ!」

 お姉ちゃんの悲鳴が上がった。


 体を、特に胸を隠すようなしぐさで固まる姉。


「どうしたのお姉ちゃん?びっくりしたよ。」


 姉は顔真っ赤なまますぐに、

「何でもないよ!」

 とぶんぶん手を振る。


 いやあまり大丈夫そうに見えないけど………。


「このやっぱ二人仲いいんだ………てか律もいたんだ。」


 まだ顔真っ赤のお姉ちゃん。


 ほんとにどうしたんだろう。


 写真の内容は二人がデュエットしているとこを撮ったもの。


 二人とも距離が近くて楽しそうだ。


 お兄さんは歌に夢中って感じだけどあおちゃんは距離が近くて顔真っ赤にしている。


「うん、なんかね、この二人付きあってるんだって。それで今日はあおちゃんにお兄さんの事紹介してもらったの。」


 あ、といった後になって思い出す。


 この二人が付き合ってること秘密にしてってあおから言われてるんだった。


 まあお姉ちゃんならいいか……。


「そっか、…………………やっぱこの二人付き合ってたんだ。だよね。あんなに仲いいんだもん。」


「お姉ちゃん?」


 お姉ちゃんの様子がおかしいと思い、後ろを振り向く。


 そこにいた姉は、大粒の涙を浮かべていた。


「どっ、どうしたのお姉ちゃん!?私何かした!?」


 お姉ちゃんが普段泣くなんてこと全くないからすごく

焦る。


 さっきの写真が関係してるのかな。


「何でもないから。私もう寝る。」


 そう言って、涙を流しながらお姉ちゃんは二階の自室に戻っていった。


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