後輩ティータイム
月曜日の休憩時間、俺は真っ先に第二体育館へと向かう。
すると、そこには既に先客がいた。
「ん…、んっ…」
自販機の先客の女子生徒が、ミルクティーのボタンを強く押す。
自販機の置き場所が重ねられたコンクリートブロックの上ということもあり、かなり高い位置に設定された最上段のボタンに必死に手を伸ばす姿は、応援したくなる愛くるしさがあった。
しかし、ミルクティーは落ちてこない。
後ろにいる俺のことは全く気付いていないようで、ただ1人、唸り声を上げていた。
しばらく観察してから、女子生徒の後ろからミルクティーのボタンを力強く押す。
ぼとりと音がしてミルクティーが、自販機の取り出し口に落ちる。
女子生徒はミルクティーを取り出し、少しむくれた様子で、振り向きながら言った。
「もー先輩。今日は行けそうな気がしたので見守っててくださいよー。」
これが俺のいつものルーティン。
クソ生意気な後輩とのティータイム。
これからきっとたくさんの思い出ができていくんだろうけれど、きっと1番大切に思うのは、日常の中のたった数分のこの時間だろう。
俺も同じものを買い、隣同士で座る。
「そうだ先輩」
あおが俺に声をかける。
「なんだよ後輩」
俺がいつも通りに返事をすると、あおはこれからいつも通りになるだろう言葉を、俺に向かって、あまりにも可愛すぎる笑顔で言った。
「好きですよ」
俺の休憩時間の至福のひと時は、いつの間にか後輩とのティータイムとなり、そして、恋人とのティータイムになった。
1つのイラストを見た事から始まったこの作品も、これにて完結です。
とりあえず素人ながらも、完結させることが出来て、とても嬉しいです。
一時期休載期間はあったものの、ほぼ毎日投稿を頑張ってきて、少しづつでしたが見てくださる方も増え、とても嬉しく思っていました。
そんな方々に告知です!
次回作を近いうちに始めようかなと思います。
2作連載を考えていて、1つは後輩ティータイムのような現実世界系、もう1つは異世界系に挑戦してみようかなと思います。(予定)
(追記)9月から連載始めました!ぜひ見てね!
現在連載中の、18禁小説、「社畜ちゃんと後輩ちゃんの心の穴」も近いうちに更新予定です。
さて、少し今作の「後輩ティータイム」について話させていただきます。
1枚のイラストを見た事から衝動的に執筆を始め、それからは毎日その日その日でストーリーを考え、更新する日々。
正直、辛いと思うことが多かったです。
でもそれ以上にキャラが可愛かったので根性で何とかしました……。
最初はあおちゃんが律をすきになることは無く、律はなつきと結ばれるつもりで書いていましたが、いつの間にかこうなっていましたね……。
今作のアフターストーリーは暇な時に書きたいと思っています。
僕自身、今作のキャラはとても愛着があるので、沢山書きます!
最後に。
これにて後輩ティータイムを完結と致します。
これからのあおや律たちの日々が今まで通り、今まで以上にアホらしくて楽しいものになることを祈っています。
是非とも感想と★★★★★をよろしくお願い致します。
それでは次回作でお会いしましょう。




