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後輩ティータイム  作者: ゆめ
第3章 後輩ちゃんは大好きです
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同級生ちゃんと2度目の約束

 その日の夜は、悶々と考え事ばかりしていてあまり眠れなかった。


 ただ一度、あおに「俺が告白されたって言ったらどうする?」とメールを送ると、すぐに返信が返ってきて、「そんなのずるです。許しません」と謎の返事が来たくらいだ。

 でもそのたった一言で俺の気持ちが揺らいでしまうのだから、あおはもう俺の中でどういう存在なのかを認めざるを得ない気がする。


 朝になってなつきと顔を合わせると、驚くほどにいつも通りで、まるで昨日の出来事が夢だったかのようだ。


 しかし、朝食の時まどかに小声で、「三日目の自由時間の話聞いたよ。私はどこかの班に混ぜてもらうから。二人で楽しんどいで」と言われたので、夢では無かったんだろう。


 俺の中でのイメージでは、何をやるにも素直で、嘘や隠し事をしていればすぐにわかるような奴だと思っていたなつきが、今は何を考えているのか分からない。

 思えば、なつきの心情が読めなくなったのは、疎遠になり始めた二年生の文化祭の後くらいからだった。

 もし、もしかしてだ、その時からなつきが俺への感情を隠していたのかもしれない。

 そう考えると、なんだか恐怖すら感じた。


 俺の葛藤も知らずに日程は進んでいく。


 今日は午前に、学年全体で東大寺と鹿苑寺を見に行ったあと、午後からは自由行動だ。

 午前はなつきをやたらとチラ見したものの、特に会話することなく時間は流れ、あっという間に自由行動の時間になった。


 お腹もすいたので、おやつを食べることに。


 立ち寄ったのは甘味処。

 俺が席に座ると、何気ない顔でなつきは俺の横へと座る。


 しばらくして、注文したものが運ばれてきた。


「ねぇ、そっちの一口ちょうだい」


 なつきが俺の餡蜜を眺めそう言う。

 俺は戸惑いつつも、いいよ、と餡蜜を差しだす。


 すると解せぬ様子でなつきは餡蜜をスプーンで取り、頬張った。


 何だこいつと思ってみていると、なつきは手に持つ自分のきなこ餡蜜をスプーンで取り、俺に向ける。


「ん」

「んって……」

「何?食べれないの?」

「まぁ、食べるけど……」


 困惑しつつも口を開ける。味なんてよくわからなかった。


 俺となつきのやり取りを、まどかは何やらにやにやとして見ているが、さっきから俺が困っているだけのような気がする。


 おやつもいただいたところで、やってきたのは映画村。

 理由は、奈々がお土産に木刀が欲しいというので、売っているような場所がここしか浮かばなかったからだ。

 他にもいろいろなお土産がそろっているので、家族の分もここで買って帰るつもりだ。


 ふと、可愛い後輩の事が思い浮んだので、『おみあげ何が欲しい?』とメールとうつと、すぐに返信が着て、『脂取り紙』と帰ってきた。

 おかんかよ。


 しばらくお土産を吟味した後、適当にあたりをお散歩する。

 三人でこうしてはしゃいで回るのはお祭りの時のようでとても楽しく、いつの間にか昨夜の事は頭から消えてなくなっていた。


「あっ!」


 立ち寄ったお化け屋敷にて、俺が怖がりまくる二人に首を絞められたり引っ張られたりと散々な目にあって、疲弊していると、まどかが突然声を上げた。


「あっ!着物!」


 まどかが指さす先には着物の貸し出し店。


 京都と言えば着物だろう。

 一瞬着てみる?と聞こうと思ったが、その前になつきが口を開いた。


「着物じゃないけど、浴衣はまた夏に着るから今日は良いんじゃない?」


 そう笑いかけるなつき。

 それは、今年も三人で夏祭りに行こうという意味だろう。

 なつきの言葉に、俺とまどかは笑って頷いた。


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