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後輩ティータイム  作者: ゆめ
第1章 先輩くんは振り回される
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後輩ちゃんの弱点


そして翌日。


「すまん。今日飯別んとこで食うわ。」


 いつも弁当を一緒に食べているクラスメイト、山根 蓮と原口 颯太に一言いう。


 蓮と颯太は陸上部で部活は違えど、入学時から話が合い、なんとなくいつも仲良くしている。


「おう、彼女か?」


「いいね、あとで紹介しろよ。」


 そう言って茶化す二人。


 ちなみに二人とも彼女持ちだ。


「そんなんじゃねーよ。」


 そう言って教室を後にする。


 目指すは特別教室棟。

 ここはいつでも鍵が開いていてエアコンも使いたい放題だし、教室数が多いので、空いている教室に入れば、空気を読んで別の人が入ってくることはない。


 言ってしまえばカップル専用食事エリアだ。


 なんでそんな場所に俺が来ているかと言うと、昨日あおに『明日は特別棟の社会資料室ですよ!』と言われえたからだ。


 俺とあおが交友関係があるのを秘密にしているため、都合がいいのだろう。


「あっ先輩!遅いですよ!」


 教室内に入ると、もうすでにあおは中にいた。


「ごめんごめん、」


そう言って、先ほど購買で買ってきたプリンを差し出す。


すると、「ありがとうございますっ」とすぐにプリンを奪い取る。

先ほどまで遅れてきたことに対して怒っていたのに、プリンを差し出せばすぐにご機嫌だ。


 テキトーな席に座り、同じく購買で買ったパンに口をつける。


「先輩って毎日購買ですか?」


 あおが俺の一個前の席を後ろに半回転させて座りながら言う。


「ああ、そうだよ。メロンパンと食後のミルクティーがお決まりだな。」


 メロンパンが一個百十円、ミルクティーが七十円、合わせて百八十円が毎日の昼飯代だ。

 中途半端な金額のせいでいつも俺の財布は小銭が多い。


 ちなみに今日のあおへのプリンは一個百八十円だ。


「弁当にしないんですか?」


 あおが机の上に弁当をのせ、小声で「いただきます」と言い、弁当箱を開けながら言う。

「俺は通学に一時間ちょいかかるから朝早いんだよ。妹が作るって言ってたんだけど俺の登校時間に合わせてたら朝五時代に起きることになるんだよ。それはかわいそうだろ。」


 するとあおは「ふんーん」と言いながら白米をぱくっと一口食べる。


「そんなに通学時間かかるなら寮に入れば………ってあそこ運動部しか入れないんですよね。」


 そう、うちの高校には学生男子寮がある。


 運動部のみが入寮可能で、学校のすぐ隣にあり、通学時間はなんと三十秒。


 県外から部活をするために入学した生徒が利用している。


ちなみに蓮と颯太も寮生だ。


「まぁ、寮に入れたとしても俺は通いがいいかな。」


 うちの学生寮は規則が厳しく、上下関係も厳しいのでそういう面倒がない家が楽だ。


「まぁ、確かに。女の子連れ込めませんしね。」


 そうにやにやしながらいうあお。


 どうしてここまでこいつは先輩をからかうのが好きなのだろう。


「そうでもないぞ、外泊届けさえ出せばホテルだって行けるし、なんならセックスなら部室でもできる。」


 こういうからかいに対しては徹底的にまじめに帰してやる。


 女子相手に下ネタも関係ない。


「セッ!?…………てことはバスケ部の先輩も…………」


 最後まで言う頃にはあおの顔は真っ赤になっていた。


 どうやら普段は自分から下ネタも言ってくるくせに、不意打ちに真面目な雰囲気で言われると恥ずかしいらしい。


てか真に受けちゃってるし……………………。

「まあそうだな、笹山先輩とか。男バスの部室で乱交してたっけ。」


 全く、高校生の性欲は恐ろしいものだ。


 何故かモテる笹山の事だから彼女以外にも身体の関係になった女子は多いだろう。


「らんこ………!っ先輩からかわないでください!」


 やはり不意打ちで顔が真っ赤なあお。


 こうしてるとやはりあおは可愛い。


「そんな部室でなんて…………ってことはなつき先輩もそうなのかな………。」


 あおの不意なつぶやきに、俺は口にくわえたパンを吐き出しそうになる。


 山本なつき。俺の元カノにして女子バスケ部のエース。

 女子バスケ部の部室は、俺となつきが交わった場所でもあるのだから……。


ちょっと下ネタ入ってしまった……


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