同級生ちゃん
なつき視点です
テスト明けの週末、今日は部活がオフなので、久しぶりに買い物に来ていた。
季節も夏に近づいてきたので、夏物の服を買おうと、地元駅から数駅離れた場所に、バスケット部の友人で集まったのだ。
一通り買い物を済ませたあと、ファミレスなどで話でもしようかと話していたところ、とある人が目に入る。
一ノ瀬あおだ。
今年のバスケットボール部の新人の1人で、素人ながらもとても頑張っているなという印象だ。
彼女は大変可愛らしいので、周りの人と比べてもかなり目立っていた。
他の友人も気づいたようで、視線を向けている。
人を待っているのか、壁にもたれかかって、鏡を見ながら前髪を整えている。
数秒後、正面のオシャレな美容院から1人の青年が出てきた。
何か盛り上がって話をしている2人、一ノ瀬さんなんて顔真っ赤だ。
他の友人も「一ノ瀬さんの彼氏かな」「美男美女カップルじゃん」などと言いながら、ファミレスに向けて歩き出していた。
一ノ瀬さんに気を取られて、あまり男性の方を見ていなかったと、男性の方を見る。
オシャレな雰囲気をまとって一ノ瀬さんと話す彼、どこからどう見てもお似合いのカップルだった。
しかし、そんなことどうでもよかった。
他の友人は気づいていない。
遠目からなので顔がはっきりと見えたわけではない。
ただ、確信があった。
そして絶句した。
その男性は、私の初恋の相手で、元彼の渡辺 律だったからだ。
律くん……彼女持ちだったとは……許さん
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