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EGに捧げるささやかなざれごと

作者:だんぞう
自動死体発見装置あきこ。死臭を辿って歩き続け、靴底のセンサーが死体を感知すると立ち止まる。



その小さなバリカンは昔美容院だった廃屋に落ちていた。それを見つけた少年達は、刃が妙にピカピカだったからと仲間の一人の頭を刈ってみたら、その少年の顔半分を刈り上げてしまった。刈り上げられたモノはバリカンにはりついて剥がれなかった。



ちあきはやれやれといった感じでプディングをもう一つ、取りに戻る。「本当は一人につき一回しか占わないんだけどね。アンタは特別だよ。だって明日死ぬって出ちゃったからさ」



だいすけは驚いた。手役にではなく、まさか自分と同じ……悪魔にとり憑かれた人間が身近にいたってことに。首を360度回転すれば皆きっと驚いてカードを晒すと思ったのに、まさか。



エミは大人たちを見上げた。ゴワゴワとした呼吸器が風をいっぱいに蓄えて震えている。全地球的に汚染が進んだせいで、人類はこの喉に取り付けた細長い炉過呼吸装置がないともはや5分と外を歩けないのだ。



帰宅すると、古田が俺の家でナニカを探していた。ぶん殴ってみたらまさか二人に別れるとは。しかもまだ探し続けている……ああ、このままじゃ古田の死体が見つかってしまう……というかこいつら何なんだ? 幽霊なのか?



私は浜辺で銀色の羽衣を見つけた。あまりにも綺麗で思わず伸ばした手を、ものすごい勢いで祖母に止められた。あれは人に絡まり血を吸う。干からびた死体はいつまでもあれにぶら下がったまま踊っているように見えるのだ、と。



「堀井君、私のこといつも見ていたよね」彼女は笑いながら、僕がプレゼントしたテディ・ベアを返してきた。盗撮カメラがバレたのかなと中を開けてみたら急に激しく燃えだした。僕の住んでいたアパートで生き残ったのは僕だけ。僕たちお似合いだと思うんだけどな。



いや、まさか。ジョジョ立ちがこんなにも難しいだなんて……それが今井先生の最期の言葉だった。



じゃっく。それが僕の名前。「女王」って書いて「じゃっく」って読む。それが僕の最初の殺人の動機さ。あの頃は確かに未来に絶望していたのに、なんでかな、今はこんな教祖なんてものをやって他人の未来の絶望を殺している。



「怖くないのですか?」その問に少女達は笑顔で答える。「怖くもないし痛くもない」と。花の形のそのイキモノは人に咬みつき養分を吸う代わりに人に完璧な美と健康を与える。少女達はそれを「カミ」と呼び、喜んで身に着けた。



「エル、それが俺の名前だ」そのオッサン、確かにそう言ったのさ。だから言ってやったよ。俺の父ちゃんや兄ちゃんと比べたらエス、いやエスエスってとこだな、って。



「そんなことをすると、まさるが来るよ」小さい頃からそう注意され続けてきた。そして今度は私が父となり息子に注意する時が来た。今の私は知っている。まさるは本当に居ることを。離れにあるあの倉の中に。「してはならぬこと」さえ守れば我が家はずっと安泰なのだ。



傷心旅行に来て良かった。のぞみは思った。さっきまであんな奴のことが忘れられなかった自分がバカみたい……そんなことを考えながらまた隣にある籠をチラ見する。なんだろう。あの中に居るナニカはなんなんだろう……。



ねぇ、おさむさんが来ているよ。さっきから僕はそう言っているのにパパもママもお姉ちゃんも気付かないんだ。おさむさんが言っていた通りだ。悪い人間にはおさむさんが見えないってこと。だからおさむさんの言う通りに……悪い人間を退治しないと。



「俺は四天王の中では一番の小物。お前はあいつらには勝てはしない」ある日見つけたスペード型のピノに言われてはや幾年。とうとう最凶のピノにまでたどり着いた……問題はあの、体育館より大きな箱をどう開けるか、だ。



「クゥ……彼女はそれをそう呼んでいたと?」「ええ、飼うのに使っていたペットボトルがたまたま……」「で、彼女はクゥをどこに放したと」「残念ながら……彼女の中で孵化した幼虫たちがもう既に脳を食い荒らしており……」「の、野放しだと? あんな危険なものが!」



リエは全然笑わないんだ。僕らが何をしても。でも叔父さんが何かを言ったときだけは別。例え小言だったとしても嬉しそうに笑うんだ。リエが生まれた日と、叔母さんの死んだ日が一緒だから……皆はそう噂しているけれど、本当にそんなことあるのかな。



「重田さん、またバラまいてたね」「警察はどうしてスルーしてるのかしら」「そりゃ……居なくなったら困るからでしょ」「私はもういいけどね。三人殺してもらったから」「え、三人までなの? どうしよう。四人目ポストに入れてきちゃったよ?」「明日バラまかれるのアンタに決定」



「タマ! あんたまた! そんなもの食べちゃダメだって言ったでしょ!」しかしタマは嬉しそうに尻尾を揺らすだけ。ああ、もうタマのせいで23回目の未亡人よ。まったく、飼い主に似たのかしらね。男が好きなところは……。



男、宇田川魚吉、女装までして手に入れた魔法の傘をまさかこんな絶海の孤島で取り上げられるとは……メアリー・ポピンズ秘密結社の連中め、はじめっから怪しかったと言うなら、なぜ一度与えた!



取り壊される予定のビルから彼女が見つかったとき、頭部と両腕とがなかったために「壁の中のヴィーナス事件」として話題になった。その後、工事が中断されたビルの屋上で顔も手もある彼女を目撃できるという噂が広まった。ただその彼女には今度は足がなかったという。



ワガハイは車である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見當がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした道でギュインギュイン轢いて居た事丈は記憶して居る。その時浴びた生き血がワガハイを付喪神にしたのだと女の履いていた靴が教えてくれた。



「心臓の悪い方はこれ以上は止めておいた方がいい」教授はそう言いながら再生を一時停止した。画面の右端にはさっきまで普通の人間の女性が立っていたはずなのに、今映っているのは上半身が幾つもに裂け、その内側にある牙でまさに捕食する直前の状態だった。



本気で見送るつもりだった。しかし土壇場でどうしても我慢ができなくなり探査機に駆け寄った。「抑え込まれたら飛び立てない!」中で山田が小さな声を張り上げている。もう一度、山田が手のひらの上で転げまわる姿が見たい。そう考えると放す気にはなれなかった。



意外と些細な理由だった。彼が悪事に手を染めたのは、彼が「善田」という姓に生まれたから。だからこそ殺す相手は選んだ。幸の薄い名前のやつは殺さずに見逃した。彼は世界のバランスを自分がコントロールしている、そう信じていた。



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