風鈴とうちわと浴衣
縁側に二人で並んで座っている。
本当なら今日やっているお祭りに行くはずだったのに身体が弱く体調を崩し気味の私を気遣って優しくうちわであおいでくれている。
せめて、お祭り気分をとお母さんが浴衣を着付けてくれた。
そんな私を見て
「とてもよく似合ってるね」
と彼は言ってくれた。
縁側に飾られた風鈴が優しい風を受けて涼しい音色を鳴らしている。
私はこの縁側で感じる風が好きだ。
今は彼があおいでくれているからよりいっそう心地よい。
隣で優しく微笑みかけてくれる彼と一緒に夏の情緒を感じながら大切な時間を過ごしていく。