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第4話 パワーレベリング

説明多めかと思います。

 仮称、エルフの里を出てはや数日。私とティアの2人は森の中でサバイバルをしている。食べられる木の実や獣を狩り、時に焼き時に煮る、そして炙り食すのだ。

 ティアは人間とエルフの混血だ。だからその能力は非常に高く設定されている。ゲームでは種族をエルフ・ハーフエルフ・人間・機人の4つの中から選ぶことができる。職業は前衛職では剣士と斧・鈍器を操る職の2種類。中衛職は槍士一つのみ。そして後衛職に弓・銃を操る職と魔法職の二つ。

 ただ前衛職はその括りの中から双剣、盾持ち片手剣、両手剣の3種類を選べるし、斧、鉾、(ナックル)の3種類を選べる。また槍とは言っても聖属性と闇属性の2種類がある。弓は弓で、銃は銃だけど、それぞれ(トラップ)スキルも手に入れることが出来る。純粋に一つしかないのは魔法職だけだろう。

 もっとも、このサバイバル生活において魔法職は大いに役立っている。火種をおこそうにも一苦労なためファイアアローという弓スキルを使おうとしたけれど、威力が絶大過ぎたため木々が燃え移る心配を他所に一瞬の元、灰と化した。

 なので【神器・怨嗟ノ声】と呼ばれる魔法職で使われる杖を使用し、ファイアボールという魔法スキルを使うことになった。その威力はファイアアローと比べると格段に落ちる。例え魔力と器用さが同じだとは言っても、武器の性能が違いすぎるのだ。

 武器には【平器(ノーマルウェポン)】【英器(グレートウェポン)】【伝器レジェンダリーウェポン】【神器(ゴッドウェポン)】の4段階があり、またその中にLANKが3段階に設定されている。LANK1は青色、LANK2は黄色、LANK3は赤色だ。

 メインの弓キャラクターはMASTERの最後までクリアしているため、LANK3の神器の武器が手に入っている。

 サブの魔法キャラクターはNORMALしかクリアしていないため、LANK1の神器の武器しかない。

 しかも、それらの性能もバラツキがありランダムでドロップするため、装備集めは本当に苦労するのだ。

 弓の2段階劣る魔法の杖。

 同じ神器でもこれだけの差がある。

 それに、伝器と神器はほぼ同じ性能を叩き出すのだ。場合によっては伝器の方が使える場合もある。それは+値の付与がランダムなため、伝器の方でより良い数値が叩き出されたなら、そっちを使ったほうが確実にいい。

 それでも、魔法の杖はNORMALの中では最強武器であると自負している。けれどその強さは弓に遠く及ばない。


【神器・怨嗟ノ声】

 攻撃力+115

 追加攻撃力+64

 攻撃速度+30%

 取得経験値+30%

 スキル値+2


 と言った具合だ。

 実に弱っちい。

 だけど、それは装備で補うことが出来ると考えるだろう。しかし忘れてはいけない。あの装備は弓専用装備だということを。

 ステータスをよくよく確認してみると、弓装備の場合と杖装備の場合の2種類があったのだ。そのステータスの違いには愕然としたものだ。

 そして、杖装備のステータスがこれになる。




 ———————————————————————


 ステータス

 名前:フォルン・ル・ドリエ・ネヴィル

 性別:女

 年齢:16

 Lv.:37

 職業:ネヴィル帝国第2王女

 特技:弓・魔法

 弓スキル:詳細表示

 魔法スキル:詳細表示

 パッシブスキル:詳細表示

 能力値

 HP:1095

 MP:2730

 攻撃力:2179

 防御力:110

 体力:10

 魔力:210(+40)

 筋力:11

 器用さ:16

 命中値:172

 回避力:16

 移動速度:130%(+30%)

 攻撃速度:180%(+80%)

 属性耐性:”火”+50%・”水”+25%・”風”+25%・”土”+50%・”光”+60%・”闇”+75%

 装備

 頭防具:天啓(尖がり帽子)(防御力+25・火属性耐性+25%・風属性耐性+25%・魔力+15・MP+30%)

 上半身防具:厄災の外套(ローブ)(防御力+25・火属性耐性+25%・土属性耐性+25%・魔力+10・スキル値+1)

 下半身防具:火中の袴(防御力+35・水属性耐性+25%・土属性耐性+25%・魔力+10・スキル値+1)

 靴:永久(とこしえ)の大地(防御力+25・移動速度+30%・攻撃速度+25%・魔力+5・スキル値+1)

 指輪:聖なる光(闇属性耐性+45%・光属性耐性+30%・追加攻撃力+64・追加攻撃力”光”+45%・スキル値+2)

 耳飾り:聖痕(闇属性耐性+30%・光属性耐性+30%・追加攻撃力”光”+64・追加攻撃力”火”+30%・攻撃速度+25%)

 首飾り:闇の宝玉(追加攻撃力”土”+64・追加攻撃力”水”+45・追加攻撃力”風”+30・追加攻撃力+45%・スキル値+2)

 武器:神器・怨嗟ノ声(攻撃力+115・追加攻撃力+64・攻撃速度+30%・取得経験値+30%・スキル値+2)

 アイテムボックス:詳細表示


 ——————————————————――



 これが魔法装備の本気装備である。まともではない。これだとMASTERだと頑張っても序盤でしか通用しないだろう。

 そして、ファイアボールのスキルレベルは最低限しか上げていないので1、最大値が20なので相当に弱い。だけど、ここでスキル値+が役立つのだ。装備で底上げされたファイアボールのスキル値は10となる。これなら、まぁ通用するか、程度だ。


 話を戻そう。

 ティアはゲームでも初期値が全体的に高く設定されている。内訳は、体力:12・魔力:21・筋力:11・器用さ:18だ。これがメインキャラクターで選んだ種族である人間の初期値だと、体力:9・魔力:12・筋力:10・器用さ:13となっている。弓に必要な器用さが辛うじてではあるけれど、ハーフエルフ・エルフに次いで3番目。

 ハーフエルフは一度NORMALを完クリしなければ使えないキャラクターなので選択肢にはなかったのだけど、エルフは使えていた。でも使わなかった。やはり、最初は人間で始めるほうがいいかな、という結論に至ったのだ。

 そして魔法の方はハーフエルフで作っているため、最悪予備装備を全て渡すというのもいいだろう。それか、メイン装備を渡してしまって私は弓のみでやるか。それに、レベルが上がりLANK2、3の物を装備出来るようになれば、弓装備の方のアイテムボックスに入ってある、”いつか友達と協力プレイをする時のためにプレゼントする装備”を渡すのもいい。

 何か一つの装備を完全に揃えようとすれば、全職業の装備が大体揃ってしまうのだ。完璧な赤装備が。


「フォルン様、これ、本当に戴いてもいいのですか?」


「うん、構わないよ」


 だってそれ、初心者装備だし。

 そんな内心をおくびにも出さずティアに【平器・ウッドロッド】を渡した。これは始めてから2,3個ストーリーを進めると手に入れることが出来る超初期装備の一つ。

 このゲーム、最終的な装備になり赤装備は恰好いいのだけど、それ以外は適当感が溢れている。ウッドロッドも例外ではないし、そのままな魔法の杖なんてのも存在する。流石にそれは後半に出てくる伝器に属している。


「ありがとうございます!」


 そんな嬉しそうにされると、なんだか罪悪感が湧いてくる。それ以上に性能良いやつたくさん持ってるんだよねぇ⋯⋯。まぁまず間違いなく、レベル制限に引っかかって使えないと思う。LANK2はレベル40以上、LANK3はレベル80以上だ。とは言え、それもまちまちでこれらは赤装備の場合に限り、平器の場合はレベル25ほどでLANK3のものでも装備が可能となる。

 私はティアを連れて獣、もしくは魔物を狩りにでかけた。

 マップを見ていると、一つの赤い点が近づいて来ていることがわかり、これは敵反応であると確認は取れているため躊躇する必要はない。


「あっちから敵が来てる。大丈夫、ティアなら出来るよ」


「は、はい!」


 私も念のために杖を構えて置き、待っているとウインドウィップLv.7が現れた。ティアは初戦闘なのでLv.1だとは思うけれど、あまり関係ない。要はプレイヤー技術(個人の技)なのだから。


「【アースロック!】」


 ティアが魔法スキルを使うと土の大きな塊が出来上がり、ウインドウィップ目掛けて飛んでいく。それは、見事に命中し、ウインドウィップのHPバーがレッドゾーンに食い込んだ。

 一撃で倒せなかったのは予想通りだ。私も始めた頃の時は一撃で倒すことなんて出来なかった。それでも、イエローゾーンだったので予想よりもティアはLv.が高いのかもしれない。

 一度、ステータスを開けるか聞いた方がいいだろう。

 そう思考している間にもティアはもう一つの【アースロック】を命中させ、手早く倒していた。魔物はゲームのように消えることなくその場に死体として留まっている。


「ティア、ステータスってわかる?」


「あ、はい!わかります!」


 おぉ……あるんだ。ゲーム内だからあるかも、とは思っていたけれどプレイヤーだけだとも思っていた。ひとまずティアにLv.を聞いてみると、6だということがわかった。


「6、かぁ。それならウインドウィップも余裕だね」


「はい!……あ、さっきので上がったらしく7になってました!」


「そう……」


 経験値の概念はあるようだ。それが私にも適用されているのか、それともカンストしているから経験値は入らない?いや、ここはゲームではないのだからカンストを超えられる可能性もある。今決めつけるのは些か早計だろう。


「そろそろ一度、森から出るのもいいかもしれない……。ティア、Lv.が10になったら森を出ようか」


「はい!」


 狩場で相手にすべき敵の適正Lv.は自分のLv.+5〜10だ。経験値的にも、技術を上げる意味合い的にもそうしなければ効率が悪すぎる。だからカンストにさせるのに必要な敵Lv.は100を越えてなければいけないのだけど、敵のMaxLv.は100だ。

 この世界ではどうなっているのか、これも要検証……けれど、そう簡単に検証できる物ではない。まして、NORMALでなければボス相手の場合ソロでは倒せない。

 まだ序盤であるためどの段階なのか、わからないけれど、ほぼ間違いなくMASTARだと思っている。逆にNORMALだと拍子抜けしてしまいそうだ。一番タチが悪いのはEXPERTだろう。NORMALなら手を抜いても大丈夫だけど、EXPERTは手を抜くと少しやばい。そんな微妙なところだ。

 とにかく、この森のエリアボスを倒してから考えるか……。


 ティアと共に歩き進め、ようやくLv.が10に到達した頃、森の最深部に辿り着いた。そこに鎮座していたのは森の主(エリアボス)であるポイズンルーツ。

 本体を倒すまで増殖を繰り返すため、序盤にしては鬼仕様だと始めは思っていた。けれど倒していくうちにここほどパワーレベリングに適した場所はないのだ。本体を倒さない限り湧き続けるMOB。そいつらのLv.は8〜10であり、ボスは12だ。

 ティアを10にしてから連れてきたのもこのためであり、安全マージンが必ず取れる。攻撃を食らっても、魔法使いだろうとノックバックや吹き飛びなどにはならない。


「それじゃティア、頑張って」


「は、はい!……ってぇぇえ!?私がこれを全部やるのですか!?」


「大丈夫、Lv.的には余裕すぎるから、油断しなければ」


 そう、油断しなければいいのである。

 私は2巡目のEXPERTの時油断して、2人連れて行ける仲間のNPCをわざと置いていき、死んでしまったという苦い経験がある。

 でもここはNORMAL。

 危険はどこにもない。


 ティアはものの2時間ほどで100体ほど倒すに至った。Lv.は16になり、森の外に出てもいいと判断する。


【連鎖】【3連射】


 弓スキルを二つ発動して放つ。【連鎖】は敵に着弾した矢が周囲5mの範囲にいる敵目掛けて飛んでいくのだ。パッシブスキルである【貫通】が続く限り。それが3連射である。何体いようと、私にとっては雑兵に過ぎなかった。


「フォルン様凄いです!」


「いつかティアも出来るようになるよ」


 古代魔法なんて、弱い装備でも反則並みの強さだから。

 なんて言えず、私は口を噤んだ。

 古代魔法……それは攻撃力が3.5倍になり、しかも範囲攻撃も追加され、更には状態異常を付与されるのだ。

 魔法使いは絶対に敵に回さないと、私はこの時に誓った。

スキル

【連鎖】

スキルLv.20だが、スキル値+28なため48となる。

詠唱時間1秒、消費MP3

着弾した敵から半径5m以内の敵にランダムに飛んでいく。範囲内に敵がいなければ、【貫通】しても真っ直ぐに飛び続ける。その先で運良く敵に当たれば、別の半径5mにいる敵に飛んでいく。

【3連射】

スキルLv.20だが、スキル値+28なため48となる。

1本の威力は攻撃力÷4

消費MPは1

矢を3本同時に放ち、同じ標的に当たる。3連射は2連射より威力は低いが、1本増えるだけで【貫通】と【連鎖】のコンボに大きな違いが出てくる。

【貫通】

パッシブスキルLv.20だが、スキル値+28なため48となる。

消費MPは1で、尚且つその確率は74%。

敵を貫通するたびにMPが消費されていく。


装備

【MP吸収+15%】

敵に与えたダメージ×15%であり、MP消費はないに等しい。


計算

MP=魔力×10+MP+値%

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