暴動
もうちょっと増えます
朝は、無常にも訪れる。
体を起こすと、それにつられて頭の上からはらりと翠の髪の毛が垂れる。
鏡の前で確認すると、今回もなかなかの奇抜な美女が写っていた。
黒髪の時よりも少し低い背、染み一つ無い肌に頭の上から流れ落ちる美しい翠の髪、そして縦に割れた翠の瞳。
今まではなんとか現実に存在する程度の奇抜さできていたが、まさかここにきて翠がくるとは思わなかった。
まさか、次は水色とか紫色とか増えないよな。
「ふう、いやじゃのう」
自然と飛び出るのは、じじいのような言葉。これがアニメ界でかの有名なのじゃロリ……ロリではないか。のじゃ美女か。
感慨深いものがあるが、その対象が自分であると思うと高ぶる気持ちも一瞬で沈静化する。いい加減姿が変わるのは理解してやるから、話す言葉まで変えるのはやめてほしい。
コミュニケーションがとりづらくてしょうがない。
他にもいろいろないか調べていて、ふと気がつく。いつもの刻印が無い。
昨日はいろいろあって調べられなかったが、今まであったのだからおそらくあるはずだろう。変身とともについてきたおまけではあるかもしれないが、あの刻印にも多分意味があるはずである。
場所ぐらいは把握しておきたい。
目―――無し。舌―――無し。首、手、足―――無し。
簡単に見える場所にはないようだ。しょうがないので服を脱いで確認をする。
胸や背中にも無いし、尻にも太ももにも無い。流石に陰部までは調べたくないので、調査を打ち切る。
「ふむ、どこにいってしまったか」
改めて探してみても、刻印の端すら見つからない。どこにいったんだか……
鏡をじっくり見つめていると、端に白いものが写るのが見えた。
何かと思い振り返ってみるが、そこには何もない。いつもの部屋だ。
「気のせいだったかのう?」
再び鏡へと目を向け、探すと今度は目の前を横切る。
向こう側が薄く透けて見える、真っ白な半透明のネコが。
「ひっ!」
思わず悲鳴を上げて尻餅をついてします。
その声でこちらに気がついたのか、下半身が微妙にぼやけている半透明なネコはこちらに突撃してくる。
「ちょ、くるでない!ステイじゃ!」
手を突き出し待ったをかけると、意外にも半透明のネコは素直に従い突き出された俺の指をペロペロとなめる。
何が起こっているかはいまいち理解は出来ないが、少なくとも俺にとって害のあることではないみたいだ。
「お、おお。よしよし」
指を舐めるネコの頭の上に手を載せ、ゆっくりと撫でる。
ネコは気持ちよさそうに目を細め、ニャーっと鳴いた……気がする。実際に聞こえたりはしない。
というか、このネコどうみても浮いてるよな?もしかしなくても……幽霊?
今回の異能は霊視的なにかだろうか。
気持ちよさそうにゴロゴロと鳴いている(気がする)ネコだが、どれだけ撫でても触っている感じがしない。動物の毛と言うよりは、ビニールか何かを触っている感じがする。
「おお、よしよし」
ひとしきり撫でていると、ネコは満足したのか一鳴きして霧のように消えてしまった。成仏したのだろうか?展開がはやすぎてさっぱり理解が追いつかない。
頭を捻って考えていると、スマホがぶるぶると震える。電話のようだ。
画面を見れば茂の文字、なにかあったのだろうか?
「もしもし、斉藤じゃ」
『じゃ?ああ、ハジメか。予想通りまた変わってるのか?』
「まあそうじゃのう。それで、なにかあったのか?」
『いや、また変な変化してるんじゃないかと思ってるから一応来たんだけど玄関開けてもらえるか?あ、今
回は会っても大丈夫か?』
「ちょっとまっちょれ」
窓から外を確認する。大丈夫だな。殺人衝動も出ない。というか、あの紅髪の状態が特殊すぎただけなのだろうか。
「大丈夫みたじゃ。今開ける」
『おう』
スマホを切り、玄関へと向かい鍵を開ける。
「おう、おはようじゃ」
「おお、おは……よ……」
スマホから顔を上げた茂が、どんどん言葉を失っていく。それどころか、目に見えてわかるほど顔が朱に染まっていく。
変なものでもついていたのかなと体を見て、俺はようやく気がついた。
変なものはついていなかった。というか、ぶっちゃけるならなにもついていなかった。
そう―――服どころか下着も。
「すまん、服着忘れた」
「はやく着て来い!」
*
「いや~すまんのう。直前までいろいろとやっておったからつい忘れてしまって」
改めてパジャマを身につけ、茂を家へと上げた。
最初はこちらをチラチラと見て顔を真っ赤にしていた茂だが、慣れたのか若干呆れた表情でこちらを見ている。
「なんでパジャマなんだ?裸よりはマシだけど、それも結構きわどいぞ」
「それがじゃのう」
適当に箪笥を漁り、一枚取り出す。
「どうも今回は和風イメージらしくてのう。和服しかないんじゃが、着付けがわからんので着れんのじゃ」
「ああ……確かに和服は難しいか」
微妙に納得していないが理解はしたという感じだ。
「ところでわしも若干気になってるんじゃが、何故伊勢はそこで黄昏ておるんじゃ?」
先ほどまでいなかった伊勢がいるのは納得する、多分茂に誘われてきたんだろう。
だが、何故膝を抱えて悲壮感を漂わせ俯いているのかがわからない。
「え、あー……これは、なんというか……」
すごい言いづらそうに言いよどむ茂。いつになく、困っている感じだ。
ふむ、茂が言いづらくて、伊勢が落ち込むようなことで、落ち込んでいるからには茂にはあって伊勢にはなかったもの……うん、思いついた。が、思いつきたくなかった。
「わしの裸が見れなかったことが悔しかったのか?」
「すごい直球できたな」
呆れるようにこちらを見る茂だが、否定はしなかった。
「あほか」
想像以上にくだらない理由でがっかりである。
「あほとはなんだアホとは!」
「それ以外言いようが無いわ」
「ばか、よく考えてみてよ!」
立ち上がった伊勢は拳を握り締め力説する。
「顔もいいしプロモーションも抜群!大人のエロスを滲み出す仕草!そして若々しい見た目とに反して、老人のような言葉遣いのギャップ!最高じゃないか!」
「なんでこやつはこんな興奮しておるんじゃ?」
「さ、さあ?」
「更に、更に言えばこの現実とは思えない髪と瞳の合わせ技!もう最高なんて言葉じゃ表せない、もはや至
高の域だよ!」
「は、はあ、ありがとう」
何をいいたいのかはさっぱりわからないが、とりあえず褒められてはいるようなので礼をする。
ひとしきり言いたいことを言い切った伊勢はその場で正座し、頭を下げる。
日本人が誇る伝統的謝罪スタイル、まさかの土下座に二人は困惑した。
「というわけで見せてください」
「ちょ、おま……」
それだけのためにこの見事な土下座と、俺と茂がドン引きする。何がこの男をそこまで駆り立てるのだ。
ここで見せたらどんな反応が返ってくるか少し気になったが、流石にほいほい見せてやるほど俺の体は安くない。
「嫌じゃ」
「そこをなんとか」
惚れ惚れとするぐらい見事な土下座であるが、何故こんな場所で披露してしまったかが悔やまれる。
というか、もしかしてこれは慣れてるってことじゃないよな?いつも女子にこんなことしてるわけじゃないよな?
嫌な想像から目を逸らし、茂へ視線で救援を求めると頭を抱えて物理的にシャットアウトしていた。おい逃げるな。
意地でも動かぬと全身で表現する伊勢。俺は少しため息をついて伊勢の脇に座り
「ほい」
右手をとって体の一部に押し付けた。
最初は何をされたのか理解できなかったのか固まったままであった伊勢だが、それが女性のあるものとわかると更に硬直した。
「こ、この感触は―――!」
「満足したか?」
伊勢の手は、柔らかくて適度に脂肪がついた腹に当てられていた。
*
「悪かったと言ってるじゃろ」
「えげつねえ……」
完全に心がくじけた伊勢は、膝を抱え込むを越えてうつ伏せで死んでしまった。流石にやりすぎた感がいとめない。
「お前悪女だな」
「ちっとした遊び心だったんじゃがなあ……」
「確信犯だったか」
ドン引きする茂を放置し、静かに涙を流す伊勢の脇に座る。
「ほら、そろそろ機嫌を直せ」
「それなら胸ぐらい触らせてやってくれ」
「嫌じゃ。わしの体は安くはないぞ」
「金払えばいけるのか?」
「ただより高いものはない。そして、信用は金では買えん。ま、そういうことじゃ」
せめて俺を惚れさせる程度に好感度をあげろってことだ。まあ、相手が男である限り不可能な話ではあるが。
俺はホモじゃないし。
「はあ……伊勢は放っておいて、用事に入るとするか」
「なんじゃ?」
「まあ、まずは腹ごしらえといこうぜ。ハジメだってあんまり外に出たくないだろ?」
「そうじゃな。恩に着る」
こんな翠色の髪の毛で、ゴテゴテの和服身に着けた奴が歩いていたら目立ってしょうがない。
ただでさえ、俺が起こした船の事件と東京などで起きている事件でゴタゴタしてる中、目をつけられる真似はしたくない。
買ってきてもらった昼飯も食べ終り、食後の一杯の茶に口をつける。昨日入れてみたが、やっぱり自分で淹れるやつより市販品のお茶のほうが美味いな。何が悪かったのか自分で淹れると色だけで味が全くしない。
「ふう……それじゃあ本題に入るか。伊勢!お前がやらんなら俺が説明しちゃうがいいのか?」
「……それは俺がやるよ」
まだ拗ねている感じだが、それでも役割は取られたくないのかのそりと起き上がりお茶を一気飲みする。
「ぷは……じゃあ気を取り直して、まずはこれを見てくれ」
目の前に差し出されたスマホを見る。
新聞社のウェブ版記事のようだ。
「なになに、『一種即発!暴動集団が国会議事堂前へと集結!』……なんだこれは?」
「これ号外だし、一応見えるかな……はじめっち、ちょっとテレビ借りるね」
返答をする余裕も無く、伊勢はテレビの電源を入れた。
テレビのスピーカーから流れてきたのはニュースアナウンサーの声ではなく、爆音であった。
緊急速報と大きな文字が画面に踊り、手振れがひどい画面の中にはずらりと盾を持って並んだ警官が立っている。
その後ろにはハンディメガホンをもった警官が画面越しからでもわかるぐらいの怒声を上げ、放水用の消防車どころか拳銃を抜いて構えている者すらいる。
まるで昔見た成田闘争のような厳重体勢、しかしそれに対するのはたった二十人ほどの集団だ。
「これ…は……」
絶句。それしかなかった。
集団は、一目見てわかるほど異常で異質なものであった。
プロテクターどころかヘルメットすら身に着けず、たった今繁華街で遊んできたと言わんばかりの軽装。大型兵器どころか銃一つ持っておらず、刀などの刃物も持っていない。
しかし、それは集団には必要がないことが直ぐにわかる。
鬼のように凶悪な顔と角をもった者、炎を手に弄ぶ者、歩くたびに氷の破片が宙を舞う者、四本の腕を持つ者、荒れ狂う暴風を纏う者。統一性など全く無いが、一つだけわかる『異常』の共通性。
その後の光景は見るまでもなかった。
炎を弄ぶ男が振りかぶり、こぶし大の炎の玉を警官に投擲する。
炎の玉は放物線を描いて警官たちの中に落ち―――巨大な爆炎を上げて炸裂した。
その勢いにカメラが大きく揺れ画像が乱れ、ついには砂嵐が画面を満たす。
「………」
言葉が出なかった。
あまりにも強烈なその光景は、一昨日の惨劇を呼び覚ます。
血の匂い、硝煙の香り、臓物の臭さ、鉄の味、人の悲鳴、断末魔、肉を切る感触―――
「―――おい、大丈夫か!?」
「はっ」
気がつけば茂が俺の肩を揺らしていた。いつの間にか、思考が暴走してしまっていた。
「……ちょっと気が遠くなっただけじゃ。気にするでない」
「ま、気持ちはわかるけどね。あんな光景見せられちゃね」
ピッピッピッとチャンネルを次々に変えるが、どれも先ほどの暴動を写しているはずなのに砂嵐ばかりだ。
先ほどの一撃で、全チャンネルのカメラが飛ばされたのだろうか?いや、そんなはずが無い。全部のカメラが偶然一緒に破壊されるなんて。
「カメラが狙われてたみたいだ。よほど写りたくなかったのか?」
「それなら覆面ぐらいつけりゃいいのにね。お、これは写ってる」
テレビは諦めたのか、スマホを弄っていた伊勢は俺の前に差し出した。
個人のネット中継のようだが、スマホで更にあまりいい機材を使っていないのか画質はかなり荒い。
だが、それでも何が起こっているかは理解できた。
画面の中を炎が飛び交い、消防車からの放水が凍りつき、甲冑と鬼が一歩を踏み出すたびに人間が吹き飛ぶ。
まるでゲームのような光景だ。
「一応こいつらの目的としては、腐敗した政権を打倒するってことらしいよ?」
「いかにも力を持った若者の暴走っぽいやつだな。ソースは正しいのか?」
「犯行声明っぽいのはネットに上がってるからね。ま、物理的に倒しちゃあせっかくの志も台無しだよね
え」
「……というか、何故お主らは平然としていられるんじゃ?」
現実味の無い光景であるが、れっきとした現実であり現在進行形で進展している光景でもある。
確かに今の政権がいいとはいえない。だがこんな手段を取るしか考えつかないあさはかな連中が主導するよりかはだいぶマシなはずだ。
しかし、このままでは防衛ラインは確実に破られる。
警官たちにも容赦なく異能を使う連中だ。訓練も何もつんでいない議員が異能を生身で受けては確実に死んでしまう。
政府の人間が皆殺しにされれば日本は無政府状態。あんなやつらにまともに外交なんて出来るわけもなく、最悪革命の終結という大義名分を掲げた他国に軍隊に日本が蹂躙される可能性すらある。
俺の純粋な疑問に対し、茂は少し困ったような顔をして頭を掻く。
「いやな―――」
途端に、画面がもう一度大きくぶれる。
血の赤で塗りつぶされたアスファルトの上、甲冑と鬼が足を止め彼方を睨む。
炎を弄び、風を纏う者達が笑みを止め構える。
『異常』が睨む先、そこにいたのは。
「―――この後の展開を知っているものとしては茶番にしか見えないんだよな」
真っ黒で日に焼けたアスファルトの上でも、尚薄れることなき絶対的『黒』とその中で輝く『銀』。
この現代において、あまりにも場違いな存在。背の丈ほどある刃を振りぬいた【侍】がいた。
侍が刀を鞘に納めると同時に、氷を操っていた男の体が積み木のように崩れ落ちる。全て均等なサイズの肉のブロックに切り分けられて。
その瞬間、鬼と甲冑が侍へと突撃し、風を纏う者が腕を突き出したと同時に炎がその上に纏わり付き、蒼の炎へと変化し侍を襲う。明確な暴力性を伴った『異常』の全てが、侍へと殺到する。
それに対し、侍は逃げも隠れもしなかった。
ただ、鞘に収められた刀の柄に手を乗せる。
もう一度画面が大きく揺れた。
瞬きほどの一瞬、『異常』は全て肉のブロックへと変わり死んだ。
「……ッ!!」
俺は驚き、そして―――恐怖した。
CGでもアニメでも漫画でもない、現実での現実味の無い殺戮。
侍の強さや異能など、この際関係無かった。
ただ恐怖する。―――人間を表情一つ変えることなく、殺したその侍に。
俺だって人を殺した。侍が殺した『異常』よりも多いが、それでも誰にも知られていない。だがそうであっても俺の精神は自責の念で自殺一歩手前まで追い詰められた。
しかし、侍は平然としている。大勢の観衆に見られても身じろぎ一つすることなく、動揺もすることなくただ蚊がいたから潰した程度に。
―――殺し慣れている。俺よりも、圧倒的に。
「金曜日くらいからかな?急に掲示板で騒がれはじめた人みたいでさ、犯行予告が発表されたと同時に政府
からも発表があったんだよ。『緊急事態につき、特殊部隊の運用を決定した』ってね」
「最初はみんな怪しんでたけど、デモムービーみたいのが流れて評価が一変したんだよな」
「そうそう、ありゃすごかったよね。大型トラックが衝突するかと思った瞬間に、真っ二つになって横を走り抜けていくんだもん」
「俺はあれが凄かったな。百人抜き」
「ああ、あれもすごかったねー」
とても楽しそうに、二人は黒侍について語り合う。
俺の中に広がるのは、どこまでも不可思議で奇妙な困惑。
なんでこいつらはこんなに楽しそうに語れるんだ?画面越しとはいえ、人が死んだんだぞ?漫画やアニメじゃなくて、現実の光景なんだぞ?
場の雰囲気に乗り切れない中、画面の中の侍は国会議事堂のほうへと姿を消す。
その時、ちらりと俺には見えた。
柱の影に、触角のようなものをきついピンク色の頭から生やした女が立っているのが。
瞬間、頭によぎる一つの考え。
スマホを手に取り、ネットの掲示板を確認する。
予想していたとおり、どこを見ても侍を賞賛するコメントばかりであり、批判的な意見は両手の指の数あるかどうか。消されていると言うことはないはずだ。それはあまりにも対応がはやすぎる。
匿名掲示板において、これほどまでに批判的な意見が少ないのは『異常』だ。そう、『異常』すぎる。
「異能……それもおそらく精神感応系」
おそらく発信源はあのピンク髪の女。あの場にあれほどまでの奇天烈な人間が偶然いたなんてことはおかしい。確定的に異能者、それも国会議事堂にいたことからおそらく茂達が語った特殊部隊の異能者。
目的も推測が付く。一般人に対する異能者の認識操作、今回の事件に対する恐怖感を低減し暴発の抑制。そんなところだろう。
「伊勢、茂」
「うん?どうかしたか?」
「いやな、どうも異能が……」
茂と伊勢にそのことを告げようとしたところで、ふと思いついた。
知らせないほうがいいのではないか、と。無理に指摘して異能が外れたとしても、メリットなど皆無に等しい。ただ混乱を招くだけだでしかない。
「いや、侍はいかような異能であったのかと思ってな」
結局俺は誤魔化すことにした。
「そうだな……やっぱり刀を持ってるからにはそれに順ずる異能だと思うんだよな」
「そうそう!でも、一瞬で切り刻むってことは時間停止の異能もありだと思うんだよね」
「なるほどな、でも俺的には―――」
再び侍談義に夢中になる二人。
そんな二人を俺は、ただ見ていることしかできなかった。
違う、本当はそんなことを気にしていたのではない。俺もまた怖かったのだ。この日常が壊れてしまうことが。
もう壊れかけてボロボロの、破綻するのが目に見えている日常。
いつかそう遠くない未来に終わるものだとしても、俺はその一分一秒の平穏を失うことが惜しかった。
だ、誰か感想を……雑感でもいいので……
変身バリエーション
・黒髪
・白ロリ
・【天使】
・【人狼】
・【死神】
・【械姫】
・翠のじゃ(new!)←