決闘 その2
ご無沙汰しております。
一年ぶりの投稿になります。
これからも少しずつ投稿していきますので読んでいただければ幸いです。
誠の前で、エンリは真っ二つになった。綺麗に縦から、文字通りの真っ二つに。
そのまま返す刀が、誠を襲う。突然の出来事に誠は、事態の収拾に追い付かない。だが、誠の体は自然と動きその刀を防ぐ。
誠の体はまだ、白と一緒だ。例え、誠が反応できなくても白なら動ける。白なら冷静に場を分析し、最適な行動を選択できる。
「・・・・なぜいるの白いの?」
斬りかかって来た相手は、誠の良く知る人物だった。この世界にいるはずのない幼馴染の天理が、隻眼を黒く染め睨みつけている。
誠にとって初めて見る顔であり、一歩下がりそうな気迫を感じた。
が、体は心と違い受けた刀で天理の刀を押し返す。そして、自然と刀を持ち直し構えたのだった。
「いやぁ、嬢ちゃんまさかお頭を切っちゃうなんて。はぁ、これからどうしようかねえ?」
離れた場所でケタケタと笑いながら、男は誠と天理の戦いを見ていた。
彼の言葉からエンリを知っているようではあったが、死んだ程度で悲しむ間柄ではない。
「これで、次にうちが頭になるって道がぐっと近づいたわ。嬢ちゃん連れてドラゴン退治に来たら思わぬ収穫てやつやな」
むしろ、喜ぶような間柄なのだろう。ニヤついた笑みが剝がれない。
「へぇ、私が死ぬとお前は喜ぶのか?」
「はぁ?」
男は今後聞くことがないと思っていた声を聴く。聞こえた声は背後から、しかし聞こえた声はたったのワンフレーズ。男は必至でその生存を認めない。
「ないない、ありえへん。さっき嬢ちゃんが真っ二つにしたのをみたし、頭の武器にそんなラインナップは無かったんや。自分緊張しすぎや、幻聴や、振り返れば誰もいてへん。・・・・・・よし、覚悟きめたで」
男は、ガクガク震える体を抑え後ろを振り返る。
そこには、先ほど真っ二つになったエンリが、腕を組みたっていた。男は力いっぱい頭を地面にこすりつけた。
反射的に、本能的に、シックスセンス的な何かが、とにかくDOGEZAだと。
「姉さん、すんませんでしたーーーーー!ぐふぅ・・・・・」
男は顔面をけられた。結構なフルスイングで。
「大丈夫?そっちの人のびてるけど?」
エンリの後ろから、セフィが顔を覗かせる。
「大丈夫ですよ。こうやって人の同情を買おうとしてるだけですから。ロディイ早く起きて、説明してね」
そう言って、エンリはロディイに腕を向ける。その腕はいくつかの切れ目が入り組変わろうとしていた。腕ではない何かに。
「もちろんでさ、姉さん!」
セフィは目を離したつもりは無かった。しかし、先ほどまで倒れていた男が正座をして座っている。明らかに異常だ。
セフィが警戒して腰に差してある紫雲に手を掛けた。
「別に警戒しなくていいですよ。セフィさん」
「そう」
その言葉でセフィは、手を戻す。
「で、説明は?ロディイ?」
「はい、今すぐに」
ロディイは、その正座のまま話始めた。
「実はですね。姉さんが抜けてから、別の組が勢力を伸ばしてきまして。うちとしては戦力確保のスカウトと育成のために新人を見つけて鍛えようと、彼女を連れてドラゴン退治に」
「ロディイ、彼女とあってどれくらい?」
ロディイの話に、エンリが切り込む。
「二時間前ぐらいに、ギルドの前ですがどうかしましたか」
「ふーん、そうなんだ。てことはあの後、彼女はこっちに来たのね。それにしての良い動きをしているよね」
先の戦闘を観察しながら、エンリは呟く。
誠は、天理と戦っている。天理との戦いに息つく暇もなく、ただ剣技の押収を繰り返すのみ。
誠としたは、話合いで解決したいのだが肝心の言葉を交わす暇がない。天理の剣技は確実に今の誠より下である。が、彼女が食い下がることなくあまつさえ息つく暇もないような追撃を行えるのは目が良いからだろう。その黒く濁り、輝く目が。
全ての攻撃を紙一重で交わし、そこから最短時間で攻撃に移る天理の攻撃に誠は苦戦を強いられている。ましては、誠は話合いたい、天理は殺したではモチベーションや行動に大きな違いが出てくる。
「このままでは埒が明きません。御主人様、この白が近接戦闘最強である所以をお見せしましょう」
突然、頭の中にで響く声に、誠は
待った。
と声をかけたかったのだが、既に時は遅く、天理の一閃を交わしたのち手に握られていたのは日本刀ではなく、純白のグローブだった。
「フルボッコタイムの始まりです」
白の言葉が誠の頭で不吉に響いた。
「天理なんだから、手加減してくれ」
「善処します」
誠の不安は拭えないまま戦いは剣技対、拳技に移行する。
久しぶりに書いたら文章が短い
前はどうやって書いていたのだろうと疑問に思いました
自分の文なのに(苦笑)