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96話 ボンッキュッボンの自給自足!?

予約投稿の時間間違えてたようです。いつもより若干遅くなって申し訳ござらん。

ボンッキュッボンって連呼してみたかったと言うだけの理由で描き始めたエピソードでしたが流石にやり過ぎたかな? と、思わなくもなかったり。

次は日曜日に投稿しまっす。

 宿屋の食堂で次郎衛門達一行はエレオノーラの話を聞かされていた。

 次郎衛門が適当に描いた落書きが魔眼になっていたとか既に食堂でして良いレベルの会話ではないような気もする。

 だがこの場にそんな事を気にする者はいないっぽい。


 場面は再び昨日に戻る。

 

 エレオノーラの瞼に描かれた目がナイスバディになってしまう魔眼だと言う事が判明して場内はちょっとした騒ぎになっていた。

 その効果を聞き付けた者達がボンッキュッボンを求めて殺到したのだ。

 その中には普段は凛々しく任務に努めている女性騎士達の姿や、何故か大臣の姿もあったりと、その騒動は凄まじい熱気に満ちていた。


エレオノーラの意識はまだ戻っておらず、そんなエレオノーラの元には誰一人向かわせはしないと、既にボンッキュッボンに変型済みのダインが公務そっちのけで自らエレオノーラの部屋の入口を見張る。

 しかし美の探究者達のエネルギーは凄まじく場は一触即発の緊張感に包まれていた。


「大臣! 余に剣を向けるとは良い度胸であるな!」

「美しい王妃様がいらっしゃる王にはワシの気持ちなど分かりますまい」

「ほう?」

「ワシとて男なのですじゃ。ボンッキュッボンなおなごとキャッキャウフフしたいのですじゃ! しかし妻の目が怖い。怖すぎるのですじゃ!」


 そう語る大臣の目には紛れもなく恐怖の色が見て取れた。ひょっとしたら過去に浮気でもばれて酷い目にあった経験でもあったのかもしれない。


「キャッキャウフフしたい衝動と妻への恐怖がワシの心で常にせめぎ合ってきたのですじゃ。しかし姫の魔眼の件を聞いた時に閃いたのですじゃ! 余所のおなごであるから妻の逆鱗に触れるのじゃと」


 妻への恐怖に怯えるように振るえながら語っていた大臣は一旦言葉をきり目を閉じる。

 そして一呼吸間をおいてから再び口を開く。


「ならばワシが! ワシ自身が! ボンッキュッボンに至れば良いのですじゃ! これなら浮気にはならぬのですじゃ! おっぱい揉み放題なのですじゃぁぁ!」

 

 そう叫ぶ大臣の目は凶気に満ちていた。

 ただこの件が妻にバレた時に結局怖い目に会う気がする。

 この爺さんはそこまで考えが及ばないのだろうか?

 国王に続きNO.2である筈の大臣までこんなんで本当にこの国は大丈夫なのだろうか。


「邪魔だてする者は例え王であろうと斬り捨てるのですじゃ!」

「その鶏がらの様な老体に余自らが引導渡してくれる!」

「同志たちよ突撃じゃぁぁ!」



 大臣の大号令と共に突撃を仕掛ける侍女や女騎士達の目にも一様に狂気が宿っていた。

 仕えるべき主君に対する忠誠心など微塵も感じさせない。

 


 こうして後にボンッキュッボンの乱と呼ばれる戦いの幕が開けた。

 その結果どうなったかというと。


「グハ! やるな!」




 10分後

「なんのこれしき!」




 更に10分後

「いたたた。こら待てお前達!」




 更に更に10分後

「ちょっと待つのだ! 1対50とか卑怯であるぞ!」





 更に更に更に10分後

「こ、これ以上は、し、死ぬのである!」





 更に更に更に更に10分後


「や、やめ」





 更に更に更に更に更に10分後


「国王ダイン撃破ですじゃぁぁぁ!」


 大臣が勝鬨を上げた。

 最早ボンッキュッボンへの障害は排除出来たかと思われたその時。


「ところがどっこい。やせ我慢発動なのである」


 小一時間掛けてやっと倒したと思ったらあっさり復活するダイン。

 相変わらずふざけた男であった。 


「小癪なのですじゃ! 今度こそ息の根を止めてやるのですじゃぁ!」 

  

 こうしていつ終わるとも知れない激闘が続くのだった。


 


 

 大臣たちとダインがエンドレスな激闘を繰り広げていた頃、エレオノーラの眠る部屋でも更なる異変が起きていた。


「おうおう。姉ちゃん良い体してしてんなぁ」

「姫? お目覚めになられ…… ひぃぃ!」


 何とエレオノーラの腹部に描かれていた小汚いおっさんが喋り出したのである。

 某二次元カエルのような愛らしさは全くない。

 ラクガキと言うよりは人面瘡である。

 魔眼といい、人面瘡といい、次郎衛門のラクガキは最早ラクガキ呼べる代物ではない。呪いと言うべきだろう。しかも滅茶苦茶性質の悪い部類の呪いだ。

 

 ラクガキ改め人面瘡は饒舌に語り出す。


「ぐへへへへへ。中々良い具合に育ってんじゃねぇかぁ。魔眼によるボンッキュッボンの人口栽培は上手く行ったみてぇだなぁ」

「じ、人口栽培ですって?」

「おうよ。俺はボンッキュッボンってのが大好きなんだぁ。でも中々理想の体の持ち主ってのは居ないだろぉ? だぁから自分で作る事にしたんだぁ。言わばボンッキュッボンの自給自足ってやつだぁなぁ」


 何と恐ろしい企みだろうか。

 そして何とゲスな企みなのだろうか。

 人面瘡はエレオノーラの体を操りゆらりと立ちあがる。


「それじゃぁ。育った果実を美味しく頂くとしようかねぇ」

「ち、近寄らないで! それ以上近寄ると!」

「おっと。姉ちゃん迂闊な事はするんじゃねぇぞぅ? この体はお姫様の体なんだろぉ? うっかり傷ついちゃったら大変だぞぉ?」

 

 エレオノーラの体を盾に人面瘡は下卑た笑みを浮かべつつ侍女達ににじり寄るのだった。










 

 どれだけ時間が経ったのだろう。


「ん…… ここは…… 私の部屋?」


 漸く目覚めたエレオノーラ。

 

「確かジロー様を追いかけて行っって…… !?」


 徐々に記憶がはっきりし慌ててエレオノーラは自分の体が無事なのか確認しようとする。

 だがその体は重く身動きが取れない。

 何事かと視線を向けてみれば……


 頬を上気させて自分の体に絡みつくボンッキュッボンな侍女達の姿があった。


「ちょ…… 何この状況!?」


 エレオノーラは混乱した。

 何故侍女達がボンッキュッボンになっているのか。

 何故侍女達は全裸なのか。

 何故侍女達と同じベッドに寝ているのか。

 何故侍女達が蕩ける様な女の顔で自分を見つめているのか。

 

 分からない。

 本当に分からない。

 混乱しまくっているエレオノーラに更なる追い打ちが掛かる。


「お? お姫様、目覚めたみたいだぁなぁ」


 どこからともなく品のない男の声が聞こえる。

 だが周囲を見回してみてもそれらしい男の姿は見当たらない。


「誰? どこに隠れているの! 出て来なさい!」

「ここだぁよぉ。お姫様のお腹だぁなぁ」


 エレオノーラが声の言う通り自らの腹部に視線を落としてみれば小汚い超リアルな中年のおっさんのラクガキが描いてあり本当にそのラクガキが喋っていた。


「きゃああああああああ!」


 得体の知れないおっさんが自らの腹部に存在しているという恐怖に悲鳴を上げるエレオノーラ。

 目覚めたらお腹におっさんが住んでいました。

 そんなんなったらそりゃ叫びたくもなるだろう。

 そんな悲鳴を聞きつけて不毛な消耗戦を続けていたダインが慌てて飛び込んできた。


「どうしたエレオノーラ! 大丈夫か!?」

「お、お父様!? わ、私のおなか…… うぎゃあああああ!」


 エレオノーラが飛び込んできたダインに説明しようとしたのだが、そこにはお腹のおっさんよりも強烈なインパクトを放つボンッキュッボン化した実父であるダインの姿が。

 目覚めたら実の父がボンッキュッボンになってました。

 嫌な現実だった。

 何せダインの見た目は世紀末覇者である。

 そんな男がボンッキュッボンである。

 世紀末どころか世界の終末が訪れそうな勢いのキモさだった。

 あまりの衝撃に現実を受け入れられずエレオノーラは夢の世界へとクラウチングスタートでダッシュを決めて旅立ったのだった。


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