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44話 次郎衛門の日常!?

 今回は次郎衛門が特に何もやらかさない時の、普段の生活について語ってみようと思う。 


 毎日適当に自堕落な生活をしてそうなイメージがあるかも知れないが、次郎衛門の朝は意外と早い。

 日が昇る前には起床し、アイリィや次郎衛門に異常に懐いていて、毎日の様に遊びに来る犬、通称もふ神様と一緒に日課のランニングをする。

 その後、もふ神様と一頻り戯れた後は、幽霊ちゃんが作ってくれる朝食に舌鼓を打つ。

 そして依頼を受けたい気分の日はギルドへ向かい、依頼を受けない日は錬金術の研究をしたり魔力闘気を使った訓練を行う。

 

 錬金術の研究では、今は主にマンドラゴラを扱った薬品の実験やマンドラゴーレムの改良に熱を注いでいるようだ。

 魔力の繊細なコントロールが可能になった現在。

 通常のマンドラゴラを量産する事も可能になり、それによって様々な高性能なポーションの製造に成功もしていたりする。

 例えば、回復ポーションは通常は薬草を加工して作りだされるのだが、薬草をマンドラゴラ化したものを加工するとその性能は桁違いになる事が判明した。

 普通に売りに出すと今までポーションの調合などで生計を立てていた人々の職を根こそぎ奪う事になるので、濃度を2%程に薄めてから売りに出している。

 マンドラゴラ? にまで進化させてしまった場合は、どんなに調合を工夫してみても、狂化だったり、笑いっ放しになったり、全身の穴という穴から謎の液体が垂れ流しになったりと、酷い副作用がある事が多く、何度か甚大な被害を出していたりもしている。

 ちなみに鑑定をすれば、薄めている事は分ってしまう。

 原液のポーションを狙った組織が次郎衛門の逆鱗に触れ壊滅するといった事件もあった。

 

 マンドラゴーレムの改良に関しては、思うように進んでいないようだ。

 マンドラゴーレムの発するどす黒いオーラは、戦闘時には有利な面もあるがそれ以上にデメリットも多い。

 戦闘でも味方がいる場合は味方に精神攻撃をしてしまう。

 一般的な労働力としてもやはり無理があるだろう。

 そんな訳で、オーラを発生させないゴーレムの開発は必須なのであるが、成果は出ていない。

 最終的にはオーラを自由自在にコントロール出来る自律行動が可能なゴーレムを目指しているっぽい。

 だが、その道のりは中々に遠そうである。


 魔力の訓練に関しては、異常な成長をしていると言って良いだろう。

 元々次郎衛門は、尋常じゃ無い程の魔力を持っていたのだが、イメージを上手く具現化出来ずに、空間魔法以外は大した魔法を使う事が出来なかった。

 だが、訓練の結果、現在は一人前と言える位の威力の魔法を発動出来る。

 しかし、次郎衛門の魔法の真骨頂は、繊細なイメージと魔力のコントロールによって扱われる空間魔法である。

 武器だけを転移させる事により、遠距離攻撃が可能であるし、相手の攻撃をそのまま相手に返す事も出来る。

 この魔法だけでも既にチートと言えるのだろうが、更に闘気まで身に纏うのである。

 ちなみに魔力を全く使えない状態でもレッドドラゴンのアポロと渡り合う程のスペックを誇っているので、次郎衛門にとっては空間魔法は使えたら便利といった程度の認識らしい。


 昼食後は、孤児院に行って子供達と全力で遊んでみたり、年寄りの茶飲み話に付き合ったり、道行く若い娘達を観賞したり、守衛のおっさん達と騒動を巻き起こしたり、して過ごしている。

 こういった街の住民とのコミュニケーションのお陰で、様々な騒動を巻き起こしても、次郎衛門なら仕方ないかな、等とサラッと受け流して貰えていたりする。


 夕食後には風呂タイムだ。

 アイリィと風呂に入ったり、フィリアの風呂に侵入を試みたり、盗撮を企んだりしている。

 尚、風呂への進入も、盗撮も、今のところは完全に防がれている。

 もっとも、本気で次郎衛門が行動を起こせば、防ぎきれないのはフィリアも認めざるを得ないらしいので、この風呂場攻防戦は幽霊ちゃんから言わせると、ちょっと変ったコミュニケーションであるという事らしい。

 風呂の後は皆で寛いだりしている。


 そして就寝タイムがやってくるのだが、これが次郎衛門には中々の拷問タイムであるようだ。

 何故ならば、次郎衛門の並外れた聴力が、周辺一帯の夜の営みを拾ってしまうのだ。 ならば耳栓でもしてみたり、フィリアに防音用の結界を張って貰うなりすれば良いのだろうが、そこは次郎衛門も1頭の雄であるのでやっぱりそういったものには聞き耳を立ててしまうっぽい。

 悲しい性と言えるだろう。

 興奮し煮え滾るリビドーに身を任せ、フィリアの部屋に特攻しようか等と企むものの傍らで眠るアイリィの無邪気な寝顔を見て正気に戻る。

 翌日に夜の営みを繰り広げていた女性に出会ったら「昨夜はお楽しみでしたね」というセクハラ攻撃してやろうと心に刻み、小さなため息を一つ吐いて眠りに落ちる。


 これが次郎衛門の何気ない日常生活なのである。



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