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プロローグ
平凡で、有り触れた日々を過ごせることが、どんなに幸せなことなのか。誰もが解っていながらそれを拒む。
日常が、ふとした出来事で、非日常へと変貌してしまったら、平凡に飽きていた者は喜ぶだろう。
だがしかし、一度非日常へと足を踏み入れたならば、そこからは出ることは叶わない。
何故ならそこが、既にその者の日常へと変貌してしまうからだ。それがいかに綺麗事だろうと、当事者からしてみればそうなってしまうのだ。
それは、誰に対しても例外ではない。
望んでいなかったと言えば、嘘になると。それくらいまでに、平凡な日々に飽き飽きとしていた。
変化が訪れるまでは―