決着と膠着
魔法って考えるのきついな…
「最初から全力でいくから、離れて戦って、ヘイル」
「わ、わかった。負けるなよ!」
「保証しかねるが、善処する」
舞台は廃都市ステージ。
戦い辛いが仕方ない。
【着装:死神の護服】
「さて、狩りの時間だ」
【着装:死神の護服】
「チッ。早くも仕掛けてきやがった。アークちゃん、危ないから離れて」
「わ、わかったです!頑張ってください!」
【着装:闘神の加護】
「勝ちにいくさ。どんな時でも」
【着装:闘神の加護】
んなっ。
あっちも本気ってことか。
おもしれぇ、のってやるよ。
「怨念よ!我の魔法に意思と力を!甦れ!死を招く氷龍よ!」
「闘気よ!我の魔法に意思と力を!立ち上がれ!勝利を呼ぶ焔狼よ!」
「派手にやりあうなっての!戦いにくいったらありゃしない」
「迅雷よ!」
「きゃっ!こんの……」
「土よ!主を守る盾となれ!」
「この程度で止められてたまるかっての!接近戦で負けるわけにはいかない!」
攻め続けること1分弱。
【戦闘不能:Ark】のアナウンスが。
「こっちは終わったよ、ユウ」
【戦闘不能:Ark】
あっちは終わったのか。
っとと。
「よそ見してる暇有んのか?死神さんよ!」
「くっそ……」
弾き飛ばされる。
鎌の柄で受けようとしたけど…。
「相変わらずの威力だなオイ。ちっとは手加減して殴れや」
「勝負に手加減など不要だ!」
訳が分からない。
くそ、接近戦で勝てるわけがない。
――少なくとも今のままじゃ。
「仕方がない、やるか」
誰にともなく呟く。
距離をつめられる前に自分から後ろに下がる。
「解除:着装」
着装を解く。
「なんだぁ?もう諦めたのかよ、ユウ」
気にせず、紡ぐ。
「【着装:刀鍛治】」
死神の衣装がなくなり、普通のプレートアーマーに戻った体を再び光が覆う。
「仕切りなおしだよ、マーツ!」闘神に向かうユウの手には古代武器【妖刀:喰肉】がしっかりと握られていた。