初秋の吹雪
まずはみんなを返す。
愚図った人もいたけどルイが怒鳴り、返っていった。
「じゃあ、ルイ、マーツ。久しぶりにやろうか。『冬景色』」
「了解」
「任せろよ、ユウ。アークがいるんだ、死ぬわけにはいかないな」「マーツ、それ、死亡フラグ」
「じゃあ、ルイ。始めて」
ルイが言葉を紡ぐ。
「乱立する木々よ」
合わせる
「宙に舞う雪よ」
マーツも入る
「荒れ狂う風よ」
「敵を捕らえよ」
「天を凍てつかせよ」
「天を動かせ」
「締めあげ」
「堕ち」
「荒れ狂え」
「敵を捕らえし木々に」
「天を凍らせた雪が」
「風にのり纏いつく」
「木々は道を作り」
「雪は氷となりて」
「吹雪一切を凍てつかせる」
「「「残るはただ、氷のみ!」」」
白く染まり
全てが凍り
砕ける
動く影はきっとグローリーの物
「ヘカートの名において告げる。ケールよ!敵に死を与えよ!」
目の前に紅の衣に身を包んだ異形の怪物が生まれる。
そいつは音もたてず影に向かう。
『ただ、動かず立ち尽くせ!ケクロプス!』
ケクロプスと呼ばれた怪物がケールとぶつかり、対消滅する。
そして、あまりに大きな爆発が起きる。
煙で前が見えない。
「ユウ!上方七十度、二時の方向!」
暗視スキルを持つルイの言葉を信じ、撃つ。
『チッ!』
舌打ちとともに巨大な石の壁ができる。
そして
『砂よ巻き上がれ!砂塵ノ嵐!』
周囲が砂嵐で囲まれる。
「ヘイル!結界張って!」
「わ、わかった!」
「マーツ!アークさんを頼む!」
「了解!」
「ルイ、ここの管理は任せた!」
駆け出す。
「は、はぁっ?ちょっと!?」
魔法の嵐は着実にライフゲージを削っていく。
「世界を旅し英雄の、遺志を継ぎし風迅は、木の葉を散らし、周りを蹴散らし、残るは只、塵芥。蹴散らせ、ワユ」
強風が全てを吹き飛ばす!