傍若有人
「ユウ!!」
駆け寄ろうとした腕を掴まれる。
「大丈夫だよ、ヘイルちゃん?」
「何がだ!どう見ても致命傷ではない…か……?」
目の前にいたのは全く傷のないユウだった。
体力ゲージを確認するも、1も減っていない。
「一体どうして……?」
「へぇ。腕、上げたね」
耳障りなハスキーボイス。
「僕は何もしてないけど。あの頃と同じく」
「そうだったね、役立たず」
そう言って、嘲笑と共にそいつ…RUIが出てきた。
「あの時と変わらない役立たずのあんたが何しに来たのさ」
「その前に、中にいれてくれよ。視線が痛い」
マーツが口を挟む。
「黙りなよ、『炎』。仕方ないね、入りな」
「何で今、神級武器狩りをしてるんだ?」
中に入るなり、聞く。
本題に入る前の世間話など、ない。
「決まってるじゃないか。世界大会の予選で勝ち抜くためさ」
「JPN大会は後敗復だけだぞ?」
「違うよ。無国籍大会にでるのさ。こっちはいろんな国から人が入ってきているからね」
「成る程。ライバルを減らすと同時に自分たちを強化するってとこか」
マーツが納得した、と声をだす。
「そうだよ。だから、君たちも死んでよ。太陽神、死神、闘神。いい鴨じゃないか」
そういって、KG《闇月》の全メンバーが武器をとって襲い掛かってきた。
返り討ちに遇うとも知らずに。