思いがけない不運
「どうしたの、ときかれても…。私もこの地区だから偵察に」
しどろもどろになりながらも答える。
しかし
「まぁどうでもいいけど。」
と無関心。
腹が立ってきた。
こういうヤツには一度ビシッと言ってやらないと、と口を開く。
しかし、先程のナンパ男に邪魔された。
「そういえばヨウ、知ってるか?」
「僕の名前はユウだ。それで、何を?」
「今回の本戦、ペアだぜ?パートナー、もう見つけたのか?」
…なんだって?
知らなかったぞ、アーク!
そこにユウが
「いや、知らなかったな。今から探しても連係できないし。マーツ、組ま…」
「断る。オレはアークちゃんと出るからな」
「そうなのか、アーク!?」
「うん。今決めた。」
…どうしよう。
他に頼れる人もいないのに。
「どうしようかな…。他になってくれそうなヤツか…」
どうやら、ユウもいないようだ。えぇい、ままよ!
敵を知り、己を知ればナントヤラ、だ。
「ユ、ユウ。もしよかったら私と出ないか?」
びっくりした。
てっきり嫌われてると思っていたからだ。
「……こっちとしては嬉しいけど、君は大丈夫なの?」
「多分、なんとかなる!」
…いや、自信満々に言われても。
とりあえずは保留かな。
まだ本戦までは時間があるし、知り合いにあたってみよう。
そう思って口を―
「いいんじゃないか?すぐ見つかってよかったじゃないか、ヨウ」
口を…閉じる。
「ほら、連れもこう言ってるし、いいじゃないか」
どうやら、すでに決定したみたいだ。
結局、関係のない、悪態をつくことしかできなかった。
「…僕の名前はユウだ」