戦いの終演
さすがに手強い!
が、動きは止まった。
引き金を引く。
銃を抑え付けて反動を受け止める。
それを繰り返す。
「アークさん!檻魔法!」
「怒れる大地よ!怒りの炎を表土に流し、土とともに敵を追い詰める檻と枷となれ!ロックフレイム!」
落ちた!
「マーツ、いくぞ!」
【カグツチ】を振り回す。
炎がヘカートを灼く。
「おらおらおらぁ!」
反対側ではマーツも奮闘している。
「二人とも離れろ!」
言われたまま離れる。
その直後、再びヘカートは空にあがった。
その後も同じような手順で着実に攻撃を重ねていった。
今回はマーツもキレず、順調だった。
が
『甘いぞ、ニンゲン!』
ヘカートはそう叫び、予備動作なしにいきなり黒い魔力を降らしてきた。
「守れ!」
そう怒鳴ると僕も自分を守るために簡単な結界を作る。
そして、相手の攻撃が始まった。
魔力の雨を降らせ、雷を落とす。
下に降りて来ては魔力の剣を振り回す。
みんなは……?
暴虐の限りを尽くすヘカートが突然、ポリゴンの塊となって消えた。
「な、なにが?」
立ち上がりながら疑問を口に出す。
「無事で何より」
マーツが近付いて来る。
「私も無事だよ!」
アークさんも丁度立ち上がるところだった。
「マーツ、今のはなんだ?」
ヘイルもこっちにくる。
今の…?
『星を穿つに足る力量を示した挑戦者よ。我が力、夢を叶えるために使うのならば受け渡そう』
「他の目的には使わない」
『ならば使え。全ての敵を倒し、夢を掴むために』




