色々と常識外れな再会
前回、少々操作を間違えてしまい、前作に二話がくっついてしまいました。
一段落したらなおそうと思いますので、当面の間は前話を読み返していただけると幸いです。
「って、あいつなんか忘れてるし」
マーツが今まで座っていた椅子の上にクレジットカードのような物が落ちていた。
しかも、表面には、デフォルメの剣のような装飾。
「武装カードかよ…。仕方ない」
呟き、カードをもって席を立つ。
どう返してやろうか。
悠人はそんなことを考えながらマーツの跡を追う。
「キャー!ほら、さっきのかっこいい人こっちにくるよ!どうする、Hale?」
「知らないよ、そんなこと。観戦したいんだからちょっと黙ってて、Ark」
片方が騒いでいるのも無理はない。
マーツは【闘神の魂】っていう神級武器を持っていて、その上好色家として有名なため、むしろ落ち着いているもう片方が異常といえるのだ。
「ねぇ、キミなんて名前?」
「え?ワタシですか?」
Ark―アークの歓声が耳に痛い。
この場を離れよう。
でもその前に一言言ってやりたい、そんな気持ちで不埒なナンパ男の方に顔を向けた。
しかし、顔を見て何もいえなくなった。
首筋にナイフがあてられていたからだ。
「あの…」
「忘れ物、マーツ。死にたくないなら受け取って」
「首筋に忘れ物を突き付けるなよ、死ぬかと思ったぜ?」
「殺しても死なないくせに」
そういって出てきたのは、あろうことか前回の大会で私を卑怯な方法で倒しベスト8に進んだ相手だった。
宣戦布告したい。
だがきっと覚えてないだろう。
と悶々としていたら、
「あれ?ヘイルさん?どうしたの、こんなところで」
話し掛けられた。