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Grauen Welt  作者: 桜忠丸
11/63

違和感のある試合

……もう二人ともヒトじゃないよね…


「試合開始!!」

躊躇うことなく逆袈裟懸けに斬る。

しかし、踏み込みが甘かったのか、当たらなかった。

そのまま相手の手首に竹刀を打ち付ける。

これは受け流され、流れるように側頭部目がけて竹刀が振られる。

しゃがんでかわし、足を狙う。

下がられ、不発。

立ち上がらず、横に転がる。

さっきまで僕がいたところに竹刀が打ち込まれる。

……強い。

けど、どこか見たことがある?

まぁ、いいや。

「今はただ、振る」


逆袈裟懸けを下がることでかわし、そのまま打ち込まれた竹刀を流し、竹刀を横に振る。

「なっ!」

しゃがんでかわされた。

とっさに半歩下がり、上から竹刀を振り下ろす。

それを相手は横に転がることでかわした。

いくら防具をつけていないからといっても、普通は有り得ない。

さすがに変幻自在を売りにする剣術は違う。

…それにしても、妙ね。

まるで闘ったことがあるみたいに動きがわかる。

まぁ、いずれわかるか。

晴美はますます集中していった。


叩いても手応えがない!

まるで水流をたたいてる感じ。

なら!


竹刀から右手を離し、左手で大きく振る。

相手の竹刀が迎撃にきたのを確認し、右手を柄に当てる。

これはよけられないはずだ!



相手の竹刀の軌道がいきなり跳ね上がった。

とっさに体を反らしてかわす。

そのまま、竹刀で胴を凪ぐ。


直前で竹刀を止める。

「……まいった」

負けた……。

「「ありがとうございました!」」

確かに強かったが勝てると思った。

最後、気を抜かなければ…。

「いい試合だった。またやろう。えっと……悠人君?」

「えっと、あの、……はい。最後、見事でした。次は負けません。あと、悠人でいいです」

「わかった。私も晴美でかまわない」

こうして、交流試合は終わった。


…どちらも、違和感に気付かずに。

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