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セミナーに行ってみた

掲載日:2010/05/01

日記の延長のような文章で申し訳ありません。


長く放置したまま、置いておいたもので、もうちょっとまとめて校正した方がいいのですが、最近仕事の事もありいじれない状態でして(汗)

ボツにしてもよかったのですが、せっかくなので…

 会社を辞めてから2年が過ぎ、フリーでイラストや図面を引き受けて仕事をしていた。最初の2〜3年は仕事は少なく、収入も低く貯金を崩してやっていた時だった。

そんな時、知人からとあるセミナーに誘われた。「幸せになれるよ」と…

 知人も自営業で一人で仕事をしていた。そういった自己啓発セミナーみたいな所に行っていたのも知っていたけど、本人が納得して参加しているんだから、他人はどうこう言えない。

 彼は紹介チケットの様な物をいくらか買わされていたらしい、値段は5万くらいだった。当時の私は恥ずかしながら一ヶ月の収入で5万稼げない時もあったのだ、そんな私に売りつけるのか!と怒ったが、「分割でいいから、とにかくとても為になるし経験して欲しい」と何度も言われ、彼の車で運んでくれるというので(他府県だったので)仕事もなくヒマな私は、好奇心もあって参加した。


 着いた場所は言えないが、町外れの何にもない所。向かいにレストランが一件あるだけで、後は工場や倉庫が遠くにある場所にポツンと建っていた。

 2泊3日のお試しセミナーといった感じだった、参加者は正確にはわからないが40人くらいいた様に思える。

セミナーのスタッフは皆、ボランティアらしい。「丸儲けやん」と最初からケチをつける私。

 


  セミナーの目的は「本当の自分をみつける」「自分のコンプレックスを打ち砕き、自分の可能性を見つけ出す」どこのセミナーでも、同じ感じだと思う。

参加している人は学生が多かった、スタッフが自分の後輩や部下を勧誘してくるのだろう。セミナーの参加者はここですべてを解放されたと思っているので、他の人たちも解放してあげたいという気持ちで誘っている。

勧誘といっても特別ノルマがある訳でなく、誘えなかったからと罰則がある訳でもない。ただ「自分の力がおよばなかった」とひどく落ち込むらしい、知人は紹介チケットをセミナーから買っている、2〜3人誘っていたので20万以上は支払っているのだろうけど、知人も苦しい生活だったろうに…お人好しで寂しがり屋な彼には、居心地の良い場所だったのかな。




 2日間、朝8:00〜19:00まで40人近くの受講生全員が、二階の部屋に通され、部屋からはとてつもない音量の音楽がガンガンにかかっていた。主催者の経歴やこのセミナーの説明の後、部屋のすべてのカーテンを閉め、明かりを消し、大声で部屋中を走り回る、40人が一斉に狭い部屋で喚くのだ。私も出したよ、ニワトリの首でも絞めたかの様なキリキリ声をだしてさ。

次にまた暗闇で今度は椅子に座り、子供の頃を思い出し「お母さーーんっ」と叫ぶ。

暗闇にまた悲しげな音楽をかける中、嗚咽する人たちで一杯。

 ここで一気に気がそれる私、15の時に親が離婚してそれからの数十年「お母さん」なんて単語を使った事がなく、どっちにしろ私は親が大嫌いだったし、ろくでもない人たちだったので、そんな思い出して泣く様な事が一つもないのだ。逆にイライラするだけだった。

 50分単位で休憩が入り、休憩の間は外出も出来るが外には何もないので、行く所がない。携帯はこの頃メールやネットは出来ない通話のみの携帯だった。

休憩が終わり部屋に戻るとまた、大音量で音楽が毎回かかっている。

 飛んだり踊ったり声を出したり、自己紹介をして人に自分を評価してもらったり。

狭い部屋でカーテンを閉めたきりにし、何十人という人たちが同じ事をする。時間の感覚が鈍くなり、だんだんと頭がぼぉ〜っとして来た。思考能力が低下してきている状態だろう、トイレで自分の顔を鏡で見ると寝起きの様な顔をしてた。


最後に数人に別れてゲームをする、どちらが多くポイントを稼ぐか、ポイントを得るには持ち駒を差し出さないといけない。どちらが早くポイントを集めるかといった様なゲーム。

ゲーム終了。主催者=トレーナーが言う「私は勝てとは一言も言っていませんよ」

「お互いが、ポイントを出し合えばどちらも有利にやって行けるのに、皆取り上げて勝つ事ばかりを考える。」

「相手の事を思いやれない…あなたは駄目な人間なのです」

私も含め皆、大ショックを受ける。

こうして書いていると「意味がわからない」と思うが、朝から丸一日狭い部屋で何十人の人間が動き回り、声を上げたり、そして自分の悩みを吐き出しちょっとしたトランス状態で、この言葉。わからんが、かなりショックを受けるのですよ、当初しらけてイヤイヤで参加していた私も、すっかりハマってしまっている状態。

中には大泣きする者もいた、私も「なんて卑しい人間なんだろう」だから母は私を愛してくれないのだ、父も私に感心がない、別れた恋人も…仕事先でトラブった人も、皆私が悪いのだと嘆いたよ。

実際はそんな事じゃないんだけどね

1日目は終わる

2日目も大きな音楽と共に始まり、トレーナーから「大丈夫、私たちはここで生まれ変わるんですよ、自分の弱さを知れば強くなればいいのです」やさしく穏やかに話し始める。「こうすれば幸せになれる」「この本を読めば悩みが消える」

「ほら、それが本当のあなたなのですよ」一人一人ベタベタに褒めてゆく。

そしてCDセットを勧めらる、このCDを聞くと自分のなりたい物のイメージが目の前に現れて、現実になるんだそうだ。そして次のセミナーの紹介をされる、50万で1週間のセミナーらしい。

 そんな中、グループを作らされた。

セミナー側が振り分けたモノだけど、これが私には良かった。

グループは、同じ年代の学生同士か、同年代ぐらいの社会人の5〜8人のグループに分けられてるようだったけど私のグループは…


失業した男性(既婚者)何となく人に勧められて参加。


プログラマーの男性やはり人に勧められた。


魚屋のおっさん、知り合いに無理矢理お試しチケットを押し付けられて、イヤイヤで参加。


70才のおばあちゃん、嫁が参加するので付き添いでやってきてそのまま参加、まったく状況が把握できない(笑)。


小学3年生の女の子、両親がセミナーに参加し娘にもと学校を休ませて参加させる

 年齢も生活環境も全くバラバラで、他の同年代の若者グループの様に共感し合える所が全くないのだ。悩みがあったとて魚屋のおっさんは「酒呑んで寝たら?」失業した男性は「働いたら?取りあえず」70才のおばあちゃんは「お腹すいているんじゃない?」こんな感じ、皆でセミナーから出ている課題を話し合わないといけないのだけど、まったく話しにならず関係のない話しで盛り上がり、気分はスッキリした。

 セミナーの方は人の気分を落としたり、上げたりとしてはなだめるの繰り返しだった。若者の大半は「目が覚めた」と言わんばかりに、自分を語り始める。

 来た当初、隣で申込書を書いていた大学生。大人しく遠慮がちに小声で話す女の子は、目を見開き興奮した様に自分を語っていたよ。

 

 最終日、一人一人に面談がある

面談というより、本来のセミナーへの勧誘。無理、いくら分割が出来ても50万なんて大金私には無理。

「幸せになれるのに何故?」「私はあなたと一緒に幸せになりたいの」「お金の問題じゃないのよ」

私の相手はずっと繰り返す。「じゃ幸せになりたいけど、お金が本当になくてセミナーに参加できない人はどうしたらいいの?」

「お金なんて集めようと思ったらいくらでも集められるでしょ?」一向になびかない私に、苛立を隠せない彼女は「なぜ、わからないの?」と両手を上げて私の顔を覗き込んだ。

 とにかく参加はするつもりもない私は、途中で席を立ち帰ろうとすると、同じグループの小学生の女の子が、次のセミナーの参加申込にサインをしていた。両親が参加させたとは聞いてはいるけど、子供一人にサインさせるというのはどうなのだろうか?と思っていると、魚屋のおっさんが「子供に何を書かせているんだ」とスタッフに詰め寄っていた。スタッフ側はすでにこの子の両親から申込を受けていると説明はしてはいたけし、女の子もそう言っていたけど。申し訳ないが、私はもうこのセミナーと関わりになりたくない気持ちで一杯で、おっちゃんの様な行動がとれなかった。

参加していた若者は、大半が次のセミナーへ参加していったみたいだった。


 トレーナーは言う、過去の不幸やトラウマはすべて「気のせい」なのだ。自分が勝手に作りだしたモノで、実際には存在しない「気のせい」なのだ。すべては自分の思い込みからくるもの

そうかもしれない、苦手な物や、怖いものは自分が作り出して大きくしてしまう事はあるだろう。けれど過去にあった出来事は「気のせい」なんかじゃない、受講中自分の過去について話す事があったけど、子供の頃に親から性的虐待を受けていたという女性がいた。私も暴力こそないものの虐待を受けていた、これは現実なのだ。

辛い過去でも現実にあった事として認識していかないと「気のせい」といって見ないフリでは幸せは掴めないよ。そもそも幸せって何をもって言いたいのか私には理解できない。トレーナーに思わず言ってしまった「あんた馬鹿じゃないか?」何も言わなかったけど。

 参加して良かった事は、グループになった人たちと出会えた事かな。特別いい話しも何も話さなかったけど、毎日仕事仕事で、頭が一杯の私には暖かいお茶をいただいた感じだった。


家に帰ってすぐにセミナーから電話があった、「セミナーの手伝いをして欲しい」と…

セミナーに対して、反抗的な態度を示していた私にか!?

聞けば、あの魚屋のおっさんの所にも連絡があったらしい、当然断った。

私も断った。

 私には合わなかったセミナーだったけど、セミナーのお陰で人間関係も仕事も上手くいっているといった人も多いから決して悪い物ではないのだろうけど。

中には、詐欺まがいなセミナーを開いている所もあるので見極めが難しいですね。




セミナー参加者とは数人、今でも時折連絡を取ったりしていますが「参加して良かった」と言っている人たちです。

私はちょっと合わなかったかなぁ

悪いとは決して思わないのですが、参加者のあの強引なまでのイケイケ感が、ちょっとついて行けなかったりします。

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― 新着の感想 ―
[一言]  はじめまして。野鶴と申します。  セミナーの実態が描かれていて興味深く拝読しました。  なんでも気のせいにしてしまえというのは、やはりおかしいですよね。書いておられたとおり、現実と向か…
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