我が子
素堂 直人28歳童貞、、、
そんなもう少しで魔法使いと呼ばれる身の俺なのだが、、
「こんにぃちは僕はパパの子供です!」
そう言うのは目の前に現れたのは小さな子供。
童貞なのだから当たり前に子供は居ないし、身に覚えもない。、、、無いのだが、この子供異常なほど幼少期の俺に似ている。
俺は知らぬ間に人工授精の被検体にでもなったのだろうか、、、
いや、落ち着けそんな危ないものに自分の大切な子種は提供していないはずだ。
でも、だったらこの子供は何なんだ?生まれてこの方、飲み屋街で潰れたことも、目が覚めたら知らない天井だったこ、という事もない。つまりワンナイトは有りえない。
だが、依然として子供は俺の眼の前にいる。、、、、
そうだ、頬をつねってみよう、きっと悪い夢、、、ではなかった普通に痛い。現実逃避がてら強めにつねった俺も悪いが、非常に痛い。
「パパ?ほぉっぺ、痛いですか?」
こいつリアルタイムで話しかけてくるのか、、、
「大丈夫さ、そこまで痛くないよ」
「そおですか。それは良かぅた」
それにしてもこの子滑舌に見合わない敬語だ。お母様は随分と丁寧な方なのだろう。
ん?そういえばこの子供どうやって俺の部屋に来たんだ?何故今まで疑問に思わなかったのだろうか、、、なんだか眩い光がしたあとに気づいたらいたような、、、
そうそう!まさにこんな感じの光!、、、ってまさか!?
「あぁぁ〜やっと見つけましたよぉmon chéri。一体どこに行ってたんですか、、、ってここは直人様のご自宅では有りませんか!?」
そう言って俺の前に現れたのは真っ黒な光沢のある、、、角と小さな羽と尻尾を持った、、、、男だった
「なぁあんた。どうして俺と俺の家のことを知っている、あとお前は何者だ?」
そう言うと彼はぽつりぽつりと経緯を語り始めた。
「私は元色頭アスモデウスと申します」
「マミーは元々夢魔の中で一番えらぁい悪魔だったの」
夢魔?元?もう何がなんだかわからない。
「私の家系は代々インキュバスとサキュバスどちらの特徴も持ち合わせた夢魔が生まれ、地獄にいる全ての夢魔の長をしていたのです。元というのは、五年前、この周辺で飢餓状態になってしまいまして、その時一番精気のオーラが強かったあなたを無意識に求めてしまったのです、、、」
「その時にマミーが本能に負ぇたから僕ができたぁの」
「えぇ、それで人間の子供を身ごもるのは夢魔の中では禁忌とされておりまして私は長の位から降ろされたのです」
なるほど、わからん。とりあえずこの男がヘマをして俺の子供をこさえてしまったことは分かった。
、、、、俺は知らないうちに純潔を穢されたのか?しかも男型の夢魔に?
「まじかぁ、、、別に俺のハジメテ返してよなんて処女じみたこと言うつもりは無いが、記憶が無いのはいただけないな」
「えっ、そこなんですね、、、なんで相手が男なんだ、とか勝手に体使われた怒りとかでなく、、、」
、、、たしかにな。人間として怒らなきゃいけない点は多い気がするが、飢餓状態と言うからにはまぁ、倒れかけのホームレスに食べ残してた菓子パンを取られたみたいなものだろう。
「まぁ問題ない。だが、記憶がないのは許せないので再戦を申し込む。」
「えっちょっと、えっ」
俺はそう宣言すると、悪魔的な美貌を困惑で歪める男を押し倒した。
「えっ、ちょ、ちょっとmon chériも見てますから」
「大丈夫ですマミー!これも勉強です」
「ちょ、mon chéri!?あ、ちょ、直人様っ//」
翌日の朝
「おはよう」
そう言うとアスモデウスはこちらを見て唸る。子供の方はまだ寝ているが、なんだか幸せそうだ。
「何満足げな顔をしているのですか、、多分ですけど昨日のせいで二人目できてしまました、、、流石に私一人で禁忌の子二人も育てられないのですが」
なるほど、確かに地獄で育てるのは難しいだろうな。
「なぁアスモデウス、お前は人間界にいたら行けない理由とかあるか?」
「いえ?ほぼ夢魔界では破門されたようなものですし、精気は人間界のほうが多いですし、問題は一切ありませんが」
「ふ〜ん、だったら俺の家でその二人育てればいいじゃねえか」
そういうとアスモデウスは鳩が豆鉄砲食らったみたいな顔をして固まった。
その後せきを切ったように泣き出し、感謝を述べては泣き、感謝を述べては泣きを繰り返した。
まぁどうせ俺一人では暇だしちょうどよいだろう。
それからこの付近では度々子供と手をつなぎながら歩く二人の男性をよく見かけるようになったそうだ。




